実務家と話す際の会話術
最近強く感じることがある。政策評価と政策立案は使う筋肉が異なる。事後的に評価した結果を、次の制度改革に考慮するわけだが、この2つの作業には大きな隔たりがある。前者は主に研究者のエリアで、後者は役人のエリア。前者が外部から遠吠えしても何も変わらず、後者が前者を理解するのも難しい。
たとえば、先日書いたこちらにも書きましたが、文章を読みやすくすることも一つのブレイクスルーな気がします。
読みやすい英語を書くコツは一文を短くすること | Ippei Tsuruga
仕事柄いろいろな人の文書を読んで編集します。書き手のタイプは大きく2つ。どう書くかを考えている人と、読み手がどう感じるかを考えている人。 前者は極めて詳細で抜け目ない文書を書く一方、難解すぎて他人がフォローしにくい。後者はシンプルでメッセージがクリアな一方、ツッコミはたくさん受ける。 …
また、実務家と話すとき、%で物事を話してもあまりピンとこないようで、絶対数で話すようにしています。中央官僚は地方役人に政策を説明し、地方役人は田舎のじいさんばあさんに説明する必要があるので、%の政策提案は一部の教育受けた役人にしか響かないのですよね。
たとえば、先週のベトナムの労働官僚に対する研修での一幕。10年間保険料を納める場合、10年✕2%=20%となり、給料の20%が年金受給額となるわけです。しかし、この説明では駄目で、「あなたの給料はいくらですか?その額であれば60歳になったら月額100ドルの年金がもらえます」と噛み砕く必要があります。
略語もそうですよね。略語にまつわる誤解は多い。開発業界でIRというと国際関係(International relation)。ILOでは労使関係(Industrial relation)。民間企業では投資家向け広報(Invester relation)。話している相手を見て略語は使い分けたい。
敦賀一平◆国連職員◆元JICA職員 on Twitter
雨は美しい。 https://t.co/oI1n8iKoUW
※以下余談です。国際機関のホームページの暗号化が遅れているようです。あまり情報セキュリティは詳しくありませんが、大丈夫でしょうか。
敦賀一平◆国連職員◆元JICA職員 on Twitter
FAOに続き、WHOの公式ホームページもSSL未対応につき、NOT SECUREページ表示ですね。