国連職員の夏休みと組織の責任の矛盾
夏休みを犠牲にして山積みの仕事をこなす日本人を尻目に、山積みの仕事を置いたまま夏休みへ行く人々。たしかに、そうしなければ夏休みなど取ることができないほど仕事は常に山積みではある。しかし、それでよいのだろうか。そこに組織としての責任感は全くなく、ただ一人の労働者の権利があるのみ。
バンコクのインターナショナルスクールは、7~8月が夏休みとなる。そのため、多くの国連職員が子供の夏季休暇に合わせてヨーロッパで一か月程度の余暇を楽しむ。しかし、よくよく考えてみると、東南アジアに夏休みなどという概念は無く、各国のパートナーは仕事をバリバリこなしている時期である。
国際機関で働いていると、「顧客志向」を重視せよということをよく言われる。各国のパートナーが働いている時期に仕事を休まず、2月の旧正月や4月の水かけ祭りや6月のイード休暇で各国のパートナーが休む時期に合わせて休むのが本当の顧客志向なのではないか。
労働者の権利なのだから、仕方ない。ただ、せめてしっかりと組織として対応できる体制を、どこの国際機関も整えておく必要がある。どこかもどかしい自問自答の末、夏休みに最も激しい出張の日々が幕を開ける。