携わっている仕事について書きます。

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専門家と営業マンの対立と私

ピーターティールの本の一節に「科学は見るからに難しそうなので、過大評価される」「専門家は自分の仕事は大変だと感じ、営業がランチに2時間出かけていることをサボっているとみなす」という話があって、研究と実務を行き来する私は5万回頷いて首がもげそうになった。 さらに読む

インドネシア人の気質と管理職に求められること

インドネシアで仕事をするときに念頭に置いているのはインドネシア人の気質。私は毎月のように労働者・経営者・官僚と公開討論のようなことをやっている。その中で、インドネシア人の気質や性格を理解した上で話さなければ、心に刺さらないことも良く理解した。

最も特徴的なインドネシア人の気質は、承認欲求・自己顕示欲が極めて強いこと。大勢がいる中で叱責することは論外として、部署や班といった身内の中で失敗の再発を防止するための改善策を議論することも嫌う。自分の尊厳が傷つけられていると感じる極めてナイーブな気質を持つ。

顕著な事例としては、良い知らせは黙っていても耳に入るが、悪い知らせは手に負えなくなるまで耳に入ってこない。報連相が根付いていないインドネシアでは、自分の成功を最優先に報告し、失敗やリスクは上司や関係者に黙っていることが多い。自分に権限があるかどうか関わらず、失敗やリスクを内密に帳消しにする方法を模索する傾向にあるため、上司や取引先の知らないところで権限・契約に反する形で行動していることもある。そもそも権限・契約・規程を遵守する意識はほとんどない。そのため、上司・取引先は知らないところで何が起きているのか常に注視する必要があり、マイクロマネジメントが不可欠になる。

裏返せば、マイクロマネジメントする人が優秀な管理職とみなされている感覚もある。部下や取引先が期日通りに仕事をしているかを常に管理する。約束を忘れていることが極めて多いため、部下や取引先へのリマインドが日々の仕事になる。

解決策は、マイクロマネジメントに秀でたインドネシア人を管理職に置くことだと感じる。しかし、これができる人材がインドネシアには極めて少ないうえ、超高給でトップ企業で働いていることが多いため、一般の中小企業には手が届かない。

日本にはこの手の人材は山ほどいて、超高給でもない。こういう気質の違いを作るのは教育なのだろうと日々感じる。期日を守らなくとも、仕事をしなくても、責められず、成功したときだけ褒められる社会。どちらが幸せかは正直わからない。

注釈。私のサンプルには大企業はない。労働者、経営者、官僚のいずれも、日本企業が直接投資しているような超優良な市場で生きている人々ではなく、ジャカルタの中流階級がサンプルだと考えている。

マスコミの常套手段とメディア対応で気を付けること

メディアからの取材をYoutubeで回答するのは斬新で賢い。入稿予定の原稿は既にあって、「取材したが回答無かった」アリバイを書くために回答期限の短いメールを送るのは、マスコミの常套手段。 さらに読む

インドネシアでは儒教の修身斉家治国平天下が難しい

マスクつけるか外すか問題。ジャカルタでは外出時にはつけている人が多いものの、密室の会議となると外す人が多い。友だちだから大丈夫的な感じで、論理にかける感じがインドネシアらしい。 さらに読む

インドネシア版ハローワーク訪問

インドネシア版ハローワーク。日本のハローワークをモデルとしている。日本との違いは、オンラインプラットフォームを先に整備し、徐々に物理的なオフィスを整備している。 さらに読む

中所得国の罠と援助とMissing Middle

中所得国の難しさ。低所得国の頃は先進国が我先にとODA予算の配賦を行い、開発援助が黙っていてもやってきた。中所得国になったとたん、先進国は援助を減らす。インドネシアのように中所得国の中でも上位に近づいてくると、先進国は援助を完全に止めたり、止める準備に入る。 さらに読む

出社の効率と非効率

ここ最近、週三日間は出社する弊社の方針に従っている。私の仕事の場合、やはり出社すると圧倒的に仕事量が落ちる。これは私の仕事のスタイルの問題で、他の人に当てはまるわけではないかもしれない。 さらに読む

インドネシア人の消費意欲と浪費癖

最近、ジャカルタで五菱(ウーリン、Wuling)という中国車をよく見る。グラブでランダムに毎日選ばれる中で、月に何度か出てくる。今朝乗ったのは6人乗りで、価格を聞くと200万円ほど。乗り心地は悪くないが、決して安くはない。 さらに読む

開発途上国の合法化されている汚職

開発途上国の汚職撲滅で一番難しいのは、合法化されているパターン。たとえば、インドネシアでは国家公務員の副業が認められている上に、外部の会議へ出席する際には主催団体から謝礼を個人的に受領することが認められている。法的に問題がなく、商習慣として長年根付いてきたもの。 さらに読む

インドネシアは成長優先で格差是正は捨てている

この記事はインドネシアに関心ある方は面白いと思います。私もほぼ同じ見方をしています。この国は成長優先で格差是正は捨てています。 さらに読む