旅立ち-開発の世界へ
旅立ち
地図に載っていない場所へ一歩踏み出そうとしている。
さっき買った地図にはない。誰も知らない場所。
旅立ちはいつも不安で一杯になる。
けれど、たくさんの声が背中を押してくれる。
「がんばってこいよ」
今思えば、俺の旅は何度も挫折して、目的を失ってきた。
ずっとその繰り返しだった。
中学校に入学して、勉強についていけず、戸惑った。
結局どうにか高校へ進学し、そこでサッカーにのめりこんだ。
そして2度目の挫折。
一度に2つのことができるほど器用ではなかった。
長い浪人生活。
ようやくの思いで入学した大学も本意ではなかった。
法律家になろうと入学し、国家試験にも挑戦した。
資格試験にも挑戦した。
結果は3度目の挫折。
全てに身が入らず、一つもモノにできなかった。
そして今、ようやく目的地が定まったような気がする。
門出前夜はやけに風が涼しく感じ、門出の朝は日の出が妙によそよそしい。
誰も知らないところへ向かって歩き始めたとき、旅人は振り返る。
そして、誰もそこにはいないことを確認すると少し寂しくなる。
引き返そうかと思うけれど、もう後戻りはできない。
旅人に残された道は常に一本で、歩き続けて住んでいた町まで遠回りで戻るしかない。
ときどき聞こえてくる風のうわさは、孤独に戦っている旅人を苦しめるかもしれない。
だけれど、旅人はいつも自分のやっていることに自信を持ち、他人は他人、自分のやってきたことは間違っていなかった、と思える道を歩んでいく。
旅とはそういうものだ。
友達の多くがとっくの昔に新しい門出を迎えたけれど、俺はまた長旅を選んだ。遠回りのように見えるけれど、そこに道は一本しかない。迷うことのない旅路の始まりである。
旅立ち、開発の世界へを読み、目頭が熱くなりました。
新しい世界へ踏み出すのは怖いですが、挫折と絶望を繰り返してでも飛び込みたい世界へ向かっていこうと思いました。
割と気ままにやっていますが、昔はこんなことを考えていたのだと、思い出していました。
いつも大変興味深く読ませていただいています。
私は敦賀さんよりかなり年だけいっている者ですが、日々敦賀さんのブログで勇気づけられています。
今回ことばに、忘れていたものを思い出させてもらいました。
ありがとうございました。私も日々一歩ずつ進んでいけたらと思います。