この仕事を続けているのはどうしてだろう

季節のせいだろうか。

あるいは、歳をとったせいだろうか。

決して順風満帆の人生ではなかったけれども、今こうして自分があるのは、その時々に巡り合った人に支えられてきたからだと感じる。

2013年に始めたThe Povertistの四半期報告をさっき公開して、改めてたくさんの方が読んでくれているのだと実感した。

出会ったこともない誰かが、このページにたどり着いて、何かを感じ、少しずつその人の人生が変わったり、世界を良い方向に変えることに繋がるのであれば、これまで僕が得てきた皆からの支えに対して少し恩返しが出来るような気がしている。

正直言って、JICAを辞めるまでもがいた数年間や、辞めたときだって、3か月たった今だって、一度もスッキリした瞬間はなかった。

毎日ベッドに入る前に、毎日朝起きるたびに、「今のままの自分で良いのだろうか」、「これからどうしていくのが良いのだろうか」、365日、一度も欠かさず考えているわけである。

根暗根暗と口では言っていても、職場では割と真面目に愛嬌をふるまきつつしっかり仕事をする。そう思っている方が多いのかもしれない。

そんな状態にもかかわらず、部屋を一歩出ると明るくふるまって、表の顔になるのはどうしてだろう。

最近ふと考えることがある。

結局は、自分のためではなく、支えてくれている方への恩返しのために、今の人生を歩んでいるのだと思う。

仕事のことだって、今、僕がこの仕事を辞めてしまって、田舎へ帰ったとすれば、僕の背中を見て勇気づけられた後輩に申し訳ない。

7,000人の北海道の田舎では、たぶん9割の人が北海道から出たことがなくて、5%くらいの人しか海外旅行をしたことがない。

長期間にわたって海外で仕事を続けているのは、町の歴史が始まって100年たった今、僕だけだろうと思う。

香川大学だって、卒業生の中に海外で仕事を続けている人はいないだろうし、ましてや開発途上国の仕事をしている人など誰もいないだろう。

自分が凄いわけではなくて、自分がやりたいと思ったことに素直に生きてきた人生である。

だから全然すごいわけではないけれど、万が一僕の背中を見て勇気づけられた人がいたらと思うと、今、この仕事を辞めるわけにはいかない。

毎朝、毎晩、そう思う日々である。

The Povertistが表の顔であるとすれば、敦賀一平オフィシャルサイトは、裏の顔。

勝手に裏の顔を見せられてしまったこれを読んでいる皆さんには申し訳ないけれど、日記代わりに、たまには素の自分を出せる場所があってもいいじゃないかな。