高齢化日本はなぜグラブやウーバーを解禁しないのか
共同通信「国土交通省は15日、新たに過疎地などでの個人タクシーの営業を認め、運転手は80歳を上限にすると明らかにした。現在は人口がおおむね30万人以上の地域で、原則75歳まで。運転手不足に対応し、地域の移動手段を確保する。」
私の田舎は6000人の十勝の農村で、高齢者が高齢者を介護する環境です。流しのタクシーはなく、何十年も経営しているハイヤー会社が一軒あるのみ。役場が無料バスを周回させていますが、人は少なく広大な土地のある町なので、便利とは言えません。足がなければ、ハイヤーを電話で呼ぶことになります。
こういう環境からジャカルタへ来ると、「なぜグラブやウーバーを解禁しないのか」と常々思います。高齢者が高齢者を介護する町で、高齢者がタクシーを運転することを勧める政策は愚策です。若者は一定数いるし、通勤で町から町へ通う人も多い。グラブがあれば仕事の前後に送り迎えしてもらえる。
2種免許の既得権益を省庁業界団体が握って改革できないのでしょうが、高齢者免許返納を勧める一方、田舎では高齢者のタクシー運転手を増やそうとする。また、就労ビザ緩和により移民労働者のタクシー運転手を増やそうとしている。
なぜグラブやウーバーを解禁しないのか。働く世代が隙間時間で副業する機会をなぜ奪うのか。既得権益を守るための政策によって日本の利便性が上がらないこと、日本若者ではなく移民労働者に不必要に富が移転すること、田舎の高齢者に高齢者介護をさせること。もどかしい次第です。
なお、「高齢者はスマホを使えないからグラブやウーバーは機能しない」というありがちな批判は嘘です。ジャカルタではキャッシュレス化が屋台や市場まで広がり、QR決済アプリで高齢者も支払いしています。
私の身内の70代前後でも、根強いガラケー依存からスマホへ移行させ、10年間の遠隔指導により、QR決済、グラブなど難なく使っています。難しければ若者が教える。消費者も国民も労働者も、生涯学ぶ姿勢を持つことで、良い社会ができます。明日への発展を、既得権益や怠慢で潰してはいけない。