カンボジアのマイクロファイナンス経営はちょっと特殊かも?
他のアジア諸国では見られない傾向
先日掲載した記事「マイクロファイナンスは貧困削減に効果なし?カンボジア調査結果(6月15日掲載)」についてコメントを頂いた。これがとても興味深いので、ここで改めてご紹介したい。前回の記事では、「マイクロファイナンスが、貧困削減に効果がない」という調査結果を紹介した。
これに対し、いただいたコメントがこちら。
「カンボジア金融機関の支店の財務諸表分析やインタービューの結果、カンボジアのマイクロファイナンス経営はバングラデシュやフィリピンで行われているようなマイクロファイナンス運営とかなり違う。グループレンディングの比重がかなり低く、担保を取っての貸し出しが中心のようだ。」
これは記事中で有識者も指摘している点だ。「担保として土地の登記証明を提示できない低所得者層が優遇金利で借り入れることは難しく、相対的に不利な条件で借り入れざるを得ない。」
カンボジアでは、内戦によって多くの人が強制的に移住させられた。その影響で、土地の権利が誰に既存するのかがわからない状況で、現在大きな問題となっている(土地問題)。
自助グループに対する貸し付けが少ないのはなぜか?
マイクロファイナンスが活発な南アジア地域では、村人が自助グループ(Self Help Group)を組成して連帯責任を取ることで、融資を受けている例が多い(参考:外部リンク)。金融機関も結局はビジネスなので、単独で無担保融資は難しい。資金力も担保もなければ優遇金利を受けることができないか、断られるのが常識だろう。
では、なぜカンボジアでは自助グループに対する融資が少ないのだろうか。私はこれに対する回答を持ち合わせていない。
何かアイデアがあれば、是非、コメント欄かメールで意見を寄せていただければ嬉しい。
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