田舎へ移住すべきでない都会人の特徴

北海道民の間でも文句なしの田舎認定される町から都会へ出て仕事をしてきた私は、多くの知人から北海道移住の夢を聞かされる。一番多い勘違いは、「人混みに疲れたので田舎で静かに暮らしたい」というもので、そういう人は移住しないほうが良い。

都会の方が人と付き合わない選択肢を得やすく、田舎では町、町内会、会社、学校などの集会や活動に参加しない選択肢を選ぶことは難しい。この記事にある福井県池田町の7か条は現実をよく反映している。

長老、地域の名士、議員、町内会長、地主など、話を予め通しておかねばならない人が大勢いて、不文律のローカルルールの中で皆生きている。地元へ移住してきて飲食店を何十年もやっている人の話が印象的で、「開店当初は何ヶ月も地元の人は誰も来てくれなかった」と。

これは三十年も前の開店時の話だが、移住者が新しい事業を始めたとして、それを応援する文化は全く無かったようだ。私は地元へ帰省すると、2、3軒しかない飲食店をなるべく訪れるようにしている。今でも地元の人はほとんどこないようで、もう数年で私の町からは飲食店が姿を消すだろう。

自治体行事については最近の若い世代は参加しないようで、少しずつ風向きはかわってきている。それでも、老人の人口の方が圧倒的に高く、私の町は民主主義の観点からしても田舎は老人のものとなっている。

移住者が田舎で隔絶された生活を送りたいのであれば、道東や道北の非電化の安い山林を買うのが良い。ただ、電気を引いたり下水を整備するだけでも大変で、町の除雪範囲外であれば、自分で大型車の免許をとって除雪しなければならない。また、最近は羆や鹿が増えすぎていて、動物との戦いもある。国立公園に設定しすぎたことによる狩猟・開発禁止区の拡大と環境保護の弊害だと思うが、道東は人と動物の利害対立が年々強くなっていて危険を感じることも多い。

4年目の移住者語る「田舎のルール」に今感じる事

ある町の移住担当者は「コロナが始まって以降、移住者の数が倍増したのは嬉しいが、質の低下が顕著で移住者が地元住民との間で起こすトラブルの処理に追われている」とこぼした。 「都会風」という表現は、都会生活に対する憧れとともに、あえて都会と田舎とを分けて考えてしまう田舎の人々の発想に基づいているのではないだろうか。 …