今日も僕らの頭上ではドリルが鳴りやまない
我が社では改修工事が10年くらいかけて行われている。
日本の感覚からすると驚くのは、週日の日中に工事が行われていることである。
ガンガンと天井を叩く音や、ドリルの振動はあたり前。
真上を工事しているときには同僚の声すら聞こえない。
そんな騒音の中で仕事をして早や一年が経過した。
これが東京であればどうだろうか。
先日、東京から帰ってきた同僚の一人が発した言葉が興味深い。
「東京では夜中になると工事が始まって、翌日の朝には何事もなかったかのように真っ新だった」
銀座のホテルに泊まったこの同僚は、夜中にオフィス街の道路の補修をしていた作業現場を見たのだろう。
これが東京を知っている私たちの日常だ。
それが、ジュネーブの我が社ではどうだろう。
騒音の出る工事を誰もいなくなった夜間や週末に行うことはない。
終日のオフィスアワーにドリルとトンカチで天井を叩く。
私たちと同じ時刻に始業し、同時刻に撤収する。
そして、私たちの頭上ではドリルで床に穴をあけている。
工事現場で安全基準が遵守されているか。労働環境は劣悪ではないか。
そちらの方を職員の職場環境より優先しているわけだ。
さすが、ILO。なぜか妙に納得してしまった。
ILO職員による工事現場ツアーなんかもある。
建築労働者の人権を守るのが理由か、時間外の工事にかかる費用が無いのか分からないが・・・。
とにかく興味深い。