平日ホテルマン、週末グラブドライバーの事情
ここにも帰省ラッシュがあるらしい。正月(水掛け祭り)を前に、バンコク市内は普段の喧騒を失っている。
週休2日、有給18日。平日は川沿いの高級ホテルのホテルマン。週末グラブドライバー。今風のツーブロック刈り上げでハニカム髭面が憎い。
こう見えても大学生の娘を持つ父親。グラブで週末稼ぎ、客と英会話を楽しむのが好きらしい。高校を首席で卒業し、今はタイの京大タマサート大学でフランス語を選考する自慢の娘。
来年卒業となると、フランスへ行ってしまうの?寂しそうな横顔が、「あいつの人生だから」と答える。「俺は働いて稼いで、授業料を払ってあげるだけ」と付け加える。
大学進学のためにカンチャナブリから出てきて以来、バンコクの便利さと生活に慣れ親しんだ彼。それ以来、家族を呼び寄せてバンコクで暮らしている。
今年は中国経済が良いから、バンコクは中国人だらけだよ。タイの経済には良いことだよ。
バンコク大学国際経済専攻の片鱗と笑顔で切り返すホテルマンの横顔が印象的だった。