未来へ

旅人の街。今日もまた、どこからともなく旅人がやってくる。夜になると酒場で旅の話で盛り上がり、朝になると不意にどこかへ消えてしまう。そんな旅人が集う街。それが旅人の街。誰の心の中にも存在している小さな街。

さて、ひとつの旅が終わり、またひとつの旅が始まろうとしている。ニュージーランドという第二の故郷を離れて半年。あまりにも早い旅立ちだったのかもしれない。ただ、3月にはもうたくさんの友人が新しい旅に出て、それぞれの旅先で輝いている。そう考えると少しこの街に長居しすぎたのかもしれない。

旅に出ることを告げると、誰もが皆、祝福してくれる。だけど、旅に出ることは華やかな反面、辛いこととも向き合わなければならないことを意味する。人は旅=出会いとはやし立てるけど、同時に、旅=別れということもある。遊牧民は彼らの人生の間ずっと旅を続ける。旅人の街で知り合った、美しい恋人と彼らはいつも別れなければならない。数年後にそこへ戻ってきたときには彼女はもしかしたら別の恋人と一緒かもしれない。旅人の街には出会いと別れがある。

2008年6月17日。また新しい旅の始まり。今度は長く、厳しい旅になりそうだ。新天地はイギリス。10月からは大学院修士課程へ進学する予定だ。コース名は「貧困と開発」。開発援助の現場で専門家へ。開発学研究所(Institute of Development Studies)というイギリスの研究機関で揉まれに揉まれてくる。有名人もたくさんいるとかいないとか。

また旅人の街へ戻ってくるのは1年半後かな。もう振り返るつもりはない。未来へ。