JPO時代と信頼と契約
期日どおりある程度の品質のものを納品し続けることでしか、次の仕事はこない。英語ではdeliveryと言いますが、ひたすらこれを繰り返す大切。チームに初めて参加して仕事がある場合は幸運で、私も信頼を得るまではスイスの山を窓から眺める日々が続きました。
欧州サッカーチームへ移籍してパスが来ないという話をよく聞くが、体感として他の仕事にも共通してあり得る。組織として動かず、個人の集まりで組織が形成されている会社の場合、役職や部局に仕事が割り振られるのではなく、個人が個人に依頼します。
国際機関の間でもこれは顕著で、ユニセフ、UNDP、世界銀行からILOに来た同僚は異口同音に、ILOの業務サイクルに驚いているようです。ILOの組織として改善しなければならない点は、極めて高度に組織化されたJICAから来た身としては、百も二百も挙げられます。
ただ、サラリーマンとしてよく言われるのは、組織を変えるより自分が変わる方が早いということ。適応してうまく立ち回ることが必要で、そもそも全社員が短期契約の組織では十年かけて組織改革する意識も根付きません。
私も個の力がない自覚があるので、泥臭くできることを繰り返すことで、仕事が舞い込むようになっている。組織力がある国際機関は資金力もあります。JPOの応募時期だそうですが、自分にあった組織文化のところへ行くと良いと思います。生き残れるかどうかは、実力よりも運です。組織に資金力があるか、JPOを継続雇用しないとまずいと組織が位置づけているか。組織対応が可能な会社かどうかが生き残りの可能性を上げる見極めポイントとなります。
最近、他機関の報告書を読んでいて驚いたには、何十人も100ページ程の報告書に名を連ねていたこと。私の場合、一人でやらないといけないな、と絶望しつつ、もがきながら書いてます。色々な人材が回りにいる利点は、学びがあるということです。疑問があれば誰かに聞ける環境は有益です。
私の現状では、専門性が狭すぎることもありますが、関連分野で質問する相手や論文などが限りなく少ないことが多いです。質問に答えられそうな人は各国の労働省の現役・退役官僚であることが多く、国ごとに個人でコネを開拓して、教えを乞うことが大切になります。