男と女の仕事の進め方の違い

男性と女性の仕事の進め方がかなり異なると感じるのは、会議運営。男性中心の会議は準備・交渉・根回しを個人が完結して会議は短時間で裁決を仰ぐのみが多く、女性中心の会議は会議前に着地点を決めずに会議で皆の意見を表明し合うことが多い。

あくまで私の経験則で異なる意見はあると思う。私のキャリアは男性ばかりの職場と女性ばかりの職場が半々。JICA勤務時は比較的男性が多数のチームで働くことが多く、ILOでは私以外全員女性の部署から始まり、部門長はこれまで全員が女性で、4人の上司も全員女性。その上での経験則。

興味深いのは、女性中心の会議の場合、皆の意見を表明し合う一方、自分の発言以外はあまり関心がないように見える。それは私が男性であるためかもしれないが、落とし所を探りながらお互いの妥協点を模索する男性中心の会議と異なる展開であることが多い。

では、女性中心の会議の結論はどうなるかと言えば、結論や合意形成がよくわからないことが多い。これは私が唯一の男性で他の女性陣にとっては結論が見えているのかもしれない。ただ、その後の経過を観察すれば、議論の内容を踏まえて、リーダーが会議後に進めていくことが多い。

男性中心の会議では進め方含め細かいところまで事前に部下が調整を完了していて会議では上司が裁決する。一方、女性中心の会議ではリーダーが議題を準備して会議で部下に意見を求め、会議後にリーダーが方向性を決める。こういう違いがあると感じる。

インドネシア社会を観察していて面白いのは、社会全体男女問わず後者のビジネスサイクルである点。リーダーの役割は意見を聞く場を設けることであって、会議で結論を出すことはない。会議後にリーダーが決めて進めていく。

男性社会は日本のみのサンプルで、女性社会は多国籍のサンプルなので偏りはあるが、こういう違いを念頭に置きながら会議に参加している。結論としては、男女半々くらいの権力・人員バランスの会議がベストだと思う。男性のみ、女性のみの会議は良い方向に行かないことが多い。