パワハラと部下への指導

部下の指導は本当に難しい時代になった。詰めすぎるとパワハラになり、その基準は部下が決める。結局、仕事の質が自分の基準に達しない場合は、詰めるよりも部下から仕事を引き取ることが多い。契約相手方の場合も同じで、ある程度のところで引き取って仕上げることが多い。

私の環境の場合、誰も終身雇用ではないので、詰めたり指導して部下を成長させるインセンティブはなく、パワハラリスクしかない。指導に時間をかけて成長を促したところで、数年で解散するチーム。そういった状況では、結局上司が自分の時間を使って仕事を仕上げていくケースが多く、部下が暇をしているケースもよくある。これは私の周りだけでなく、他のチームでもよく見る。上司が多忙になり、部下が暇になるという構図は、終身雇用・期限付き、指導する意味がある環境か否かによる。アメリカや国連ではよく聞く話だった。

そして、暇している人は上司からの信頼を得られておらず、契約が更新されない。

ストレス耐性で雇われ、てにおは使い方で日々詰められた私。誤字脱字は論外で、句読点や論理や言葉遣いで終電まで指導受けた。振り返ると、この経験が自分を成長させ、仕事の質に対する自分の基準を作った。

部下と上司のストレス耐性基準が異なると不幸な結末になる。ただ、その基準を決めるのは部下側にある。今後は日本でも指導はなくなっていくと思われる。特に期限付き職員が増えると、部下は暇になり、上司は忙しくなり、暇な部下には仕事は振られず、契約満了が増える。会社が育てる時代は終わる。

競争社会に拍車がかかり、ギスギスした社会になっていく不安。

「こんな資料使えへん」部下を数時間問い詰め10回作り直させる…59歳の課長級県職員を懲戒

部下の職員2人にパワーハラスメントをしたとして、滋賀県は10日、課長級の男性職員(59)を減給10分の1(2か月)の懲戒処分にした。 発表によると、男性職員は昨年2~4月、部下の男性職員(50歳代)に「こんな資料使えへん。不要」などと数時間、 に問い詰め、資料を10回作り直させるなどした。同11月には、女性職員(40歳代)が発送業務を滞らせたとして、威圧的な態度で遅延理由を述べるよう強いた。