ミャンマーで交わる二色の川
数年前のこと。
カンボジアの首都プノンペンを流れる川を渡し船で渡ったときに見た光景。
プノンペンの水瓶であるトンレサップ湖から流れるトンレサップ川。
何か国も旅をしてきた大河メコン川。
その二つの川がプノンペンで交わり、二色の川の境目がくっきりと見えた瞬間。
朝日新聞が報じたミャンマーのニュースを見ていると、二色の川を思いだす。
「目上の人に敬意を払わず、根拠もなく自由に批判できるのはおかしい」
アウンサンスーチー氏が率いる与党をネットで批判した編集者が逮捕された事件。
上記は編集者を告訴した人の言葉だ。
アジアの人々には、目上の人に敬意を払うという伝統的な価値観がある。
日本人の私たちもかつては目上の人に対してモノを言うことができなかった。
それが最近では大きく変わり、モノ言う若者が評価される社会になってきている。
よくよく考えてみると、目上の人にも上下関係問わず意見できるというのは、西洋では当たり前のこと。
上下関係問わず自由に批判できるというのは西洋文化であって、アジアの伝統的な文化を重んじる人々にとっては抵抗がある。
東洋文化と西洋文化の衝突。
ミャンマーの今回のケースは、東洋文化と西洋文化がぶつかる最前線を思わせる。
二つの異なる色をした川がミャンマーで交わっている。