古い国際協力と新しい国際協力

途上国で何年活動したかがよく話題になる。いつも思うのはどこに住むかではなく、何をするかが大切。その国で生まれ育った人のほうが何年もそこで活動しているわけだから、そこで争ったところで外人の私たちの価値はない。

国連で働くことが目標にされることが多いですが、ヒエラルキーのトップというわけではないです。今の時代選択肢は増えました。

日本では国際協力ブームはまだ終わっていなくて、民間や起業やNGOといった枠組みで語られている。僕らの頃はNGO職員は最低賃金ボーナスなし週休一日残業盛り沢山というイメージだったが、ずいぶん選択肢が増えた。

最近の傾向できになるのは、ビジネス寄り、人道寄りの若手は多いものの、全く物事が進まない途上国行政に足を突っ込んで地道に改革を進めていくガマン比べのキャリアを嗜好する人が少ないということ。

このあたりはビジネスや人道と比較して華やかではないのですよね。ファンドレイジングしてもお金も集まらないジリ貧の分野で、それでいて、国がある限り絶対に避けて通れない分野。

こういう仕事やっていると、国連職員というだけで訪問してくれるみなさんがいて嬉しいのですが、いつももどかしいのは、みなさんが期待するような話をできないこと。

結局のところ、一般的に国際協力で思い浮かべるのはテレビで取り上げられるようなビジネスや人道援助であって、締め切ったドアの向こうで労組や経団連や政府と妥協点を探る話し合いをしているところは思い浮かべないわけです。

私も駆け出しの頃は思っていました。途上国に住んでナンボだと。でも冷静に考えれば、ケニア人はケニアに生まれてからずっと住んでいるわけで、日本人の私が行ったところで、ちょっとした小金持ちが来ただけですよね。

では何が必要なのか。私の場合はパブリックセクターですから、日本政府で働いていれば日本の政策、国際機関で働いていれば各国の政策比較。そうやって求められる役割が異なるわけです。

民間の話で言えば、サセックス大学の同期が途上国で雇用を生み出すと言って、500人雇って2,500人の家族を雇っているようです。そういった直接的な貢献の仕方もあって、本当に選択肢が増えたと感じます。

JICAの同期の一人はE-Educationという団体を大きくして、苦労しながらバングラデシュにつくしている。これはNGOという枠組み。

以前はNGO、JICA、JBIC、国際機関と限られた枠組みしかなかったのが、民間という巨大なセクターが加わったことで入り口がかなり広がった気がします。

私たちは世の中のニーズを汲み取ろうとしすぎる。大切なのは、今のニーズではなく、明日のニーズであり、来年のニーズであり、三十年後の世の中のニーズです。キャリアを考えるときには気に留めておきたいポイントですね。