国際機関の仕事は個人戦のようなもの

ILOの政策系の仕事は、完全に個人コンサルであって、自分で全て打開しなければならないことが多い。チームで仕事することはほぼ無く、どこまで行っても個人で判断して対応していく。上司も実質的にはほぼおらず、全員フラット。もちろん決裁ラインはあるが、あくまで手続き。本質は個人戦。

チームの組織対応に慣れた私にとって、こうしたILOでの働き方は新しいものだった。日本でコンサルとして叩き上げの方は、自力ありそうで、こういう働き方に慣れているのだろうから、活躍の場はあるのではないかと思う。

ILO政策系の仕事の場合、国際基準に基づいて政策提言をすることになる。例えば、「年金改革の場合、退職後の年金受給の代わりにアーリーリタイアして一時金で受給できるようにする」、というのは国際基準に反している提言となる。

国際基準は法律のように細かく色々なことを規定しているので、把握するのが大変。日本の組織であれば、政策提言の前に何人もハンコを押して、組織として回答書を作成する。ILOでは個人で調べ、提言する。国際基準と異なる間違ったことを言えば、組織の責任ではなく、個人の責任となる。シビアな世界。