働かない国連職員と国連改革の本質
国連職員は働かない。
日本人の業界関係者からよく言われることです。私もそう思っていました。しかし、中にはいってみると二極化していることに気づきます。
まず、一日中コーヒーを飲んでいるグループ。国連で生き残るためにはネットワーキングが大事だ。そんな定説があります。正直、私はネットワーキングが苦手で、無意味だと思っています。
私自身も愛想よく広く交友関係をキープする努力をしません。大勢の飲み会も好まず、どうせやるならサシ飲みを個別にしたいタイプです。
毎日コーヒーを飲みながらネットワーキングしているグループとは対象的に、昼夜週末問わず働いているグループがいます。
この人たちは日常的に家に仕事を持ち帰り、土日でもスマホでもメールを返信する嫌なタイプです。私は基本的にフレックス勤務をしたくないタイプで、仕事は職場で完結したいタイプです。スマホや自宅から仕事をしてしまうと周りにも同様のスタイルを強要してしまうからです。
しかし、バンコクに来てからというもの、家で仕事をすることもしばしば。なぜ家に持ち帰らねばならぬのか。考えた末の結論はこれです。
国連は非効率。
よく言われることですが、これがどういう意味なのか実感を持って理解できていませんでした。中に入ってみて今言えることは、やる気がないから非効率なのではないということ。
終身雇用がなく、不安定さ故に突然スタッフが退職(転職)してしまい、引き継ぎもないまま仕事が半年滞り、後任は引き継ぎなしに手探りで仕事を始める。つまり、Institutional Memoryの蓄積がしにくい組織構造になっていることが原因なわけです。
職員一人ひとりをみれば、プライベートの時間なく働き、組織に守られず、自身の責任で日々の仕事の判断をしばければならない精神的プレッシャーと戦っているスタッフも多いです。