国際機関で働いていて越えられない壁がある
色やデザインの感覚。
国際機関で仕事をしていると、文書、スライド、出版物を作成する機会が多い。
そのとき、多国籍のチームで働くわけだけれども、絶対に超えられない壁が一つある。
それはスライドや文書のデザイン。
ある程度カッコよく仕上げれば、後は趣味やセンスの世界に入ってくる作業だ。
偉い人が右といえば、「ヘイヘイ」と言って妥協できるレベルの細かな修正依頼がバンバンくる(誰かが気がついた、思いついた、たびにくる)。
たとえば、パワーポイントのスライドでテキストボックスや表を作ったとすると、その色を薄い青にするか灰色にするか。青色60にするか、青色40にするか。
個人的には正直どうでもよい。
ヨーロッパ人が好きな色。アジア人が好きな色。派手な服が好きな人。地味な服が好きな人。国籍によっても好きな色が異なる。
デザイナーの世界では、流行色を決めたり、色の選択は最重要課題だろう。しかし、専門性の高い報告書を作成するときに、デザインをどうするかで何度も修正するのは「なんだかなぁ」と思うわけです。
報告書も数百ページを超える膨大な文書なわけで、一箇所小さな表記や色を変えると数百ページを一ページずつすべて再確認・修正しなければならない。
こういうとき私は、「この小さい修正をしたところで大きなインパクトは無いだろうが、コスト(時間・労力)はいくらかかるのだろう」と考えてしまいます。
今日のトピックは「国際協力の裏側」というカテゴリにふさわしい(?)リアリティをご紹介しました。
報告書などの仕上げの段階で「趣味の世界」レベルの戦いがあります。そこには、努力だけでは超えられない壁がある気がします。