文字が奏でるメロディ
紙に書いた文字から音が聞こえてくる。
そんな体験をしたことはあるだろうか。
気のせいとか。妄想とか。そういう話ではない。
私は音で文字を書くことが多い。
その文章が、きれいな音を奏でるかどうか。
耳で文章を書いている感覚に近い。
自分で言葉を発しながら、滑らかできれいな言葉の流れになるように。
文章がきれいなメロディのように聞こえるまで音譜を上下に動かす。
このブログのように短時間でざっと書き上げるときは無言で書く。
日々の仕事や寄稿文を熟考して書き上げるときなど。文章は音で書く。
英語でも日本語でもブツブツ独り言を言いながら文章を書く。
昔から文章を書くのが好きだった。
中学生の頃のあだ名は「詩人」。
韻を踏みながら詩を書いたり、テンポの良い文章を書いたり。
メロディを意識しながら文章を書くのが日課だったのを覚えている。
その影響か、今でも独り言を唱えながらでないと文章を書くことができない。
最近の悩み事は、職場で独り言を言えないこと。
3人で六畳一間をシェアして仕事しているため、独り言は言えない。
打開策として最近は、早朝に出勤して朝の誰もいないオフィスでブツブツ言っていることが多い。
朝目覚めたらオフィスへ行って5時間くらい仕事して、午後はボーっとしている。
朝の時間は大切だ。
文章を音で書いていると、音の世界に入り込んでしまうこともある。
一旦世界に入り込むと、朝から晩まで寝食も忘れて書き続ける。
難しい論文や政策文書も、そんなときだけはきれいなメロディに聞こえてくる。
なんだか危ない世界のように聞こえてくるが、共感する人もいるのではないだろうか。
一日のほとんどを物書きに費やす作家のような生活をしていて気付いたことだ。
文章を音で書く。
今日のメロディは心に響くだろうか。