持続可能な開発目標(SDGs)が採択-キーワードは?

2015年9月25日11時。

持続可能な開発目標(SDGs)が採択されたとき、私はその議場にいた。

歴史の1ページに刻まれる瞬間にその場所にいたことは感動的なことだろう。しかし、むしろ、開発援助に携わるものとして、その瞬間は歓喜というより、スタートラインにたったときの緊張に近いものだった。

遥か前方でWe are the Oneを熱唱するシャキーラも、マララ・ユスフザイの力強い演説に熱狂する観衆も、全てが耳に入らない。

この15年間、自分には何ができるか。実施機関として、実務家として、研究者として。頭の中を駆け巡るいくつものシナリオ。どのシナリオにリアリティを見出せるかで、今後の自分の歩む道が変わっていくことになる。

採択の直前に行われたパン・ギムン国連事務総長の演説で、たった一言だけ頭に残っている言葉がある。

“Implementation(実施)”

どのメディアも取り上げないだろう。何も特筆するような言葉でもない。ましてや強調された文脈にもない。さりげなく彼が使ったその言葉が、この日一番のキーワードだった気がする。

合言葉は、”No one left behind(誰も置いてけぼりにするな)”。メディア受けするこの言葉よりも、私のような開発関係者にとっては、前者のほうが重い言葉に聞こえるのではないだろうか。

今日がスタート。これからが実施部隊にとっての本番なのだ。

Author: The Povertistの編集長。アジアやアフリカでの開発援助業務に従事する貧困問題のスペシャリスト。貧困分析や社会政策を専門とし、書籍・論文も執筆。

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