インドネシアのケアエコノミーロードマップ

インドネシアでは女性省の副大臣の舵取りで、ケアエコノミーロードマップを策定中です。レニさんという人で、長年開発省で幹部を務めていた方です。

元々、国会議員の発議により、Maternal and child welfareという法案が議会に提出されたことに端を発しています。この法案の審議過程で、女性省が関係各所と時間をかけて議論してきました。女性の社会進出や介護の観点から長期的な国のあるべき姿を議論しなければならない。そういった趣旨で、退職前の全精力を捧げて副大臣が推し進めています。素晴らしい熱意とパワーです。これに呼応し、開発省の副大臣や労働省の幹部も議論に加わっています。ある意味、それだけ多くの省庁が関連する分野というわけです。

ILOでは私のチームではないジェンダー関連のプロジェクトチームが支援してきました。具体的にはコンサルタント(ガジャマダ大学の講師陣)の雇上や会議ロジです。私の方からは、介護、年金、出産手当金に関する財政と制度設計の観点から政策提言をしています。いずれも、私の個人的な感想を述べるのではなく、ILOの他の専門家と書いた分厚いレポートに基づいています。

ちなみに、私たちの事業は日本の厚生労働省による拠出金によって成り立っています。今日は偶然もう一つの大切な会議がありました。それは日本の厚生労働省・経済産業省の方々との一年に一度の進捗報告会です。ILOと日本政府は毎年二月に会議を催し、ILOは日本政府拠出のILO事業の進捗報告を報告します。日本はベトナムとインドネシアを支援していて、私が成果を報告しました。東南アジア諸国は日本の背中を見て制度設計をしています。

私はケアエコノミーロードマップの会議を中座し、廊下から日本政府との会議で報告させていただきました。リモートワークが一般的となり、複数会議で同時に発表することも最近は増えています。