国際協力キャリアと株式投資、敗者の戦

先月の記事で「国際協力を仕事にするなら投資を勉強すること」が大切だと書きました。

その趣旨は、一言で言えばこうです。

国際協力キャリアが極めて不安定で、一つの組織に所属で年金の積み立てが困難であるが故、自分で資産管理をできるようになるべし。

ただ、実はもう一つ大切なことがあります。

キャリアと株式投資の共通点です。

今日はその話をします。

敗者の戦

このブログをご覧になっている方はもうお気づきと思いますが、私は生まれつき頭が良いわけではありません。

高校では400人中後ろから数えて数人の成績で、もちろん浪人し、行きついたのは香川大学という地方大学でした(香川大学は良いですけどね)。

JICAの同僚や国際機関で働く知人の多くは、東大・京大など国内の一流大学を出ていたり、ハーバード大学や海外の有名大学院を出ています。

こういった仲間に囲まれながらキャリアを歩んでいると、いつも感じることがあります。

私は受験戦争の敗者

受験が全てではない。勉強ばかりで来ても意味がない。

擁護するためのいろんな意見があると思います。

ただ、いつも感じるのは受験戦争に勝った人たちは、何事も呑み込みが早く、日々コツコツ努力をすることにたけているということです。

私は辛抱強く毎日自習ができません。

だから受験に負けたのでしょう。

私のキャリアの考え方

勉強が得意な人と、勉強が苦手な私が同じ土俵で戦っても勝算はありません。

そこで私が常に心掛けていることは、バリュー投資というやつです。

バリュー投資とは株式投資の手法の一環で、価値はそこそこあるのに安値で放置されている株を見つけて投資する方法です。

これをキャリアに置き換えると、誰も注目していない分野、場所、タイミングをいち早く見つけ出し、そこを狙ってポストを獲得していくということ。

例えば、東大⇒JICAというキャリアの人が多いのであれば、香川大学⇒JICAでは勝ち目はありません。

そこで私は香川大学⇒英国大学院⇒JICAと間に1ステップ挟むことでキャリアを一歩進めることができました。

ここでのポイントは、香川大学⇒英国大学院のハードルは低く、英国大学院⇒JICAのハードルも低いということです。

実際、香川大学卒業時にJICAへ応募したときは書類審査で落選しました。

競争率の低いところを見つけ、ステップアップを目指す。

巷では学歴ロンダリングなんて呼ばれたりもするみたいですね。

専門分野についても同じです

私が途上国の社会保障を専行してきたのは、当時はまだ注目されていなかった分野だったものの、今後伸びる分野だと思ったためです。

まだこれが成功したかわかりませんが、先行投資ですね。

特に、途上国の社会保障を専門として国際機関で勤務している人材に絞ると、世界銀行に数名、ILOに数名、UNICEFに数名。それくらいしかいません。

更に年齢でフィルタをかけると、各機関に1名ずつくらいでしょうか。

自分の市場価値を把握すること

こんな感じで、マーケットが閑散としている分野を見つけ、先見性があればそこへ自分のキャリアを掛ける。

そんな風にキャリアを考えてきました。

自分のマーケットバリューを把握しつつ、市況を読む力を養うことは大切だと日々感じています。

これは職場での人間関係も同じで、自分がどう振る舞えば良いかを読む力にもつながります。

イメージの話で分かりにくいかもしれませんが、バリュー投資を勉強してきたことがこんなところにも役立っているような気がします。