ニュージーランドの父
個人的なことはここに書かないことにしている。
ただ、このことだけは感謝の気持ちも込めて記しておきたい。
今の自分があるのは、彼がいたからだ。
私のニュージーランドの父。ピーター。
昨年の春にこの世を去った。
昨年11月にニュージーランドを襲った地震の折に、無事を祈ってメールを送ったところ、最近になって返事があった。
その返答はニュージーランドの母からだった。
訃報が届くとは思いもしなかった。
現在のジンバブウェのある旧南ローデシアで生まれたイギリス系移民のピーターは、その後ニュージーランドへ移住して人生のほとんどをクライストチャーチで過ごした。
彼は100以上の仕事をこれまでやってきたことが自慢で、2007年に半年間ホームステイした私には「人生は何事も経験だ」と毎日のように語っていたのを思い出す。
「いつか日本の首相になったときには東京に招待してもらう」
嘘かほんとかわからないが、イギリスで大学院へ行った時も、アメリカに駐在したときも、「首相に近づいてる」とか言っていた。
そんなやりとりがまるで昨日のことのように、思い出されます。
今なお彼の教えは残っています。
例えば、英語は話せるようになるだけではもったいなく、イディオムをより多く覚えた方が一流になれるとか。
難しい言葉を並べて専門的な話をできることがゴールなら簡単だが、話していて面白いと感じる表現を覚えることこそが、一流の条件。
そんなことを毎週火曜日にレッスンしてくれたのを思い出す。