1本の論文より、10本の記事を書くことが大切
開発途上国の援助に携わる国際協力実務家にとって大切なことは、インターネット時代の到来とともに変わってきている。
たしかに、アカデミックな論文を書くことは、国際場裏に事業の成果や教訓を発信するためには不可欠な時代となってはいるが、発信のあり方は必ずしも有名なアカデミックジャーナルに掲載されることだけではない。
国際場裏(先進国のドナーや開発パートナー向け)において、団体や個人の知名度を上げるためには有名なジャーナルへ投稿して掲載されたり、著名な研究者と肩を並べてパネルディスカッションをすることは、昔と変わらず大いに意味があること。
ただ、長期にわたる研究を経て、ジャーナルへ投稿して発表するというプロセスには、2年も3年もかかる。果たして、ジャーナルへ投稿することがどのくらい途上国の事業にとって意味のあることなのか。
最近はブログやオンラインマガジンで迅速に発信することが容易になっている。オピニオンリーダーと呼ばれる人たちは、ジャーナルへの投稿もするが、ツイッターやブログで自身の考えを日常的に発信するのが一般的だ。
日本ではまだこのような個人レベルのタイムリーな発信や議論が一般的ではなく、昔と変わらずジャーナル重視の傾向が強いように思う。
インターネット全盛期にあって、研究やジャーナル、発信のあり方も変わる必要がある。
1本の論文より、10本の記事を書くことのほうが意味がある時代がもう来ている。