日本企業の国際競争力と政府にすがる民間

この公共調達の話は面白いです。小林さんは、日本政府の指定スペックを満たす日本企業がなかったので、外資を選定する流れになったことを説明。ひろゆきさんは、スペックを決めるために外資出身の人が入っているので仕様書作成時点で外資の技術に頼っていることを指摘。

IT業界でどの程度日本の技術力が劣っているのかはわからないのですが、こちらの河野大臣の対談も合わせてみると面白いです。ここでは、バブル期後に経済が政治に頼りすぎていて、自力で外国勢を負かしていく企業が少ないことが指摘されています。

私は河野さんの意見と同じ感覚を持っています。アフリカにおけるODA事業のうち、日本企業がどの程度受注できたか。最新データが見つからないのですが、競争入札で本体事業(コンサルタント部分除く)を受注した実績は極めて少ないのではないかと思います。

今も変わっていなければ、無償資金協力は本邦タイド、有償資金協力は原則アンタイドで競争入札となります。一方、日本政府側の案件形成で日本企業の受注促進をするという考えがある場合は、STEP事業を形成することとなります。日本の技術がなければ事業実施できない仕様書とすることで、本邦タイドの入札になる仕組みです。経済が政治に頼っている、という点に関して、これが私が直感的に思った実例です。

単純な道路建設では中国企業に価格で負けるので、高度な技術を要する地下鉄や新幹線の案件形成を提案する。そういうことが経済界から求められ、政治が対応してきた結果が、現在の日本経済の競争力低下なのかと思います。