「お金をより多く早く流通させれば、景気が良くなる」の謎とキャリアの例え話
経済を学んでいるとき、今ひとつ感覚的に理解できなかった概念がある。お金をより多く早く流通させれば、景気が良くなる。だから預金を止めて投資をしようと政府は呼びかけている。しかし、これが今ひとつ腑に落ちない。そんな経験をしたことがある人は私だけではないだろう。
会社の人事を考えてみたい。社長が30年居座れば、社長経験者は1人なのに対し、社長が3年おきに代われば、社長経験者は10人となる。社内での社長の価値は下がる。しかし、社外で転職活動をするとき、10人の社長経験者はきっと良いアピールが出来るだろう。
国際機関の人事でも同じことが起きている。人材の流動性の高い多くの国際機関では空きポストが多く現れ、役職を経験するスタッフの数は増えている。一方、ILOのような専門機関では、入社時代から同じ役職で20年も勤める人もいる。それだけ役職を経験する機会が少ないわけだ。
金融市場における流動性と、キャリアにおける人材市場の流動性は似ている。このあたりを意識してキャリアを考えると、より戦略的に大局観を養うことができるのではないだろうか。
しんくれあ on Twitter
@IppeiTsurugaJP 投資が活発になって嬉しいのは個人より企業のほうだからかもね。そして、結果として景気がよくなったとしても、それが消費者にはなかなか還元されない。