今月のニュースの読み方(2017年5月)
NewsPicksのおすすめピッカーとして、国際協力・政治・社会・文化など様々な分野のニュースにコメントしています。開発途上国の専門的なニュースもあれば、専門外のニュースへ単に感想を書くこともあります。このページでは一ヶ月分をまとめて掲載しています。最新のピックアップをご覧になりたい場合は、NewsPicksかTwitterでフォローいただければ幸いです。
Contents
日銀黒田総裁、アジアの貧困問題解決「適切な金融サービス提供が必要」
カンボジアなどでマイクロファイナンスが貧困削減に効果がないというエビデンスが出てきているため、原因究明と政策対応が必要かと思います。
AIIB、ADBと競合するものではない=黒田日銀総裁
アジアのインフラ需要は既存の枠組みで埋められないのでウェルカム。そしてリターンの低い案件にはADBはやりにくいので、AIIBにしかできない案件も多いように思います。
麻生氏、インフラ技術支援に45億円拠出表明 ADB総会開会式
単位が百万ドルかと見間違いました。この少額の基金でインフラは作れないので、調査経費にでもするのでしょうか。社会保障や教育や保健などのソフトコンポーネントにまわしてくれれば私たちソフト屋がADBに貢献するチャンスも出てくるのですが、あくまで高度なインフラにしか興味なさそうな書きぶりですね。
「ドアは開いている」AIIB総裁、日米に参加呼びかけ
世銀やADBからの出向などで少しずつ体制が強化されていくのでしょうね。ハードだけでなく社会保障や教育や保健などのソフトコンポーネントにも力を入れるようになれば、私のようなソフト屋も貢献できる可能性も出てきそうです。
話題の「オバマケア」何が問題なのか?
仕事柄、アメリカの医療保険の動向は見ています。また、アメリカ駐在して人事も経験した身としては他人ごとではないですね。日本法人所属の自分は日本の保険商品に加入していましたが、立て替え払いが厳しかったです。記事中にもありますが、医療費が法外に高額なので若手駐在員には立て替えることはおろか、クレジットカード(上限)の一括払いすらできない金額です。病気になったら会社の上司から借りるしかないという状況でした。結局2年間一度も病院に行くことなく耐えました。一方、現地スタッフの人事をやっていて知ったのは、オバマケアでさえ極めて高額な保険料を払わねばならず、それにもかかわらず各種制約があるということ。記事中にもありますが、アメリカの医療業界の「超高額体質」は想像と常識をはるかに超えていて、どこかで崩壊するような気がします。
海外メディアが大絶賛している「最新の書き起こしツール」があれば生活が激変しそう
マイクロソフトトランスレーターも可能性感じさせます。話した内容が自動翻訳されて別言語アウトプットされる。精度はまだまだですが、応用すれば別言語の書き起こし翻訳を自動化できる時代が来そう。
アジア経済、保護主義の高まりでリスクに直面=IMF
アジアが中国よりにどんどんなっていくと思います。アメリカが援助を停止していますし。
アジア開銀、制度疲労も
世銀はアメリカ。ADBは日本。純粋に開発援助を念頭に事業展開できない政治経済が一番大きな足かせかと思われます。
中部バガンの世界遺産登録、9月に申請(ミャンマー)
バガンでJICAが観光産業支援してますよね。
「アフリカの問題なんかより日本の問題に取り組め」と私を批判するあなたへ
私も散々言われてきましたが、単に巡り合わせですよね。国内問題と海外の問題のどちらが身近かという。私は偶々それが海外で今に至ります。何れにせよ社会問題で飯を食うというのはある程度自分の人生を犠牲にする覚悟は必要だと感じます。
中国主導のアジアインフラ投信銀行 早くも苦境で休眠状態続く
今のADBではなく、50年前のADBと比較しないとアンフェアかなとは思います。
中国、「一帯一路」に17兆円投資へ 参加国に5年間で
中国の強みは、アジア諸国へ支援すると直接自国の経済開発につながること。中央アジアや東南アジアへインフラ投資すれば、自国への物流ラインとつながる。日本の援助を自国へ循環させようとすれば、企業が海外直接投資や海外受注するしかない。日本の援助が下火になる理由はここにある。
個人番号カード義務化提言
非居住者の扱いが後手に回っている印象を受けます。非居住者へも発給して国内銀行・証券口座の保有緩和もセットで政府が推進したほうが、非居住者と政府にとっても良いと思うのですが。ここで言う非居住者は、海外で勤務する日本人という意味です。
IMF、アジア諸国に高齢化への早期対応呼び掛け
社会保障制度整備急がれます。これに関連して、コメント記事を書きました。ミャンマーで始まった老齢年金の話です。90歳以上の全ての人々へ毎月800円を税源から支給するスキーム。社会保障システム拡充へ向けた大きな一歩です。政治への信頼が薄く、かつ、年金の概念を持たない開発途上国の人々にとって、長期的に保険料を納めることが極めて難しい中、今回のケースのように税財源を原資とする老齢年金スキームから導入を開始することは一般的となっています。今後運用する中で、徐々に受給開始年齢が下げられていくものと思われます。
米ツイッター、TVニュース配信でブルームバーグと提携
日本では駄文短文SNSと捉えられていますが、英語圏では研究者やプロフェッショナルのガチ勢がメインの印象です。ニュースという発想はそこから来るのでしょうね。
アジア開発銀:AIIBとの主導権争い激化へ
むしろ共存だと思いますがどうでしょう。ADBがリスク高い融資をできないところをAIIBが拾っていくイメージでいます。
南スーダン、「人災」による飢饉で600万人の生命が危機に
むしろ現代の飢饉はほぼほぼ人為的なものです。