国際協力業界のインターネットを使った広報

うまくネット広報を活用できていない

開発業界に特化した話ですが、私の経験上、日本の組織はあまりうまくネット広報を活用できていない気がします。

ここをご覧の方には繰り返しになりますが、The Povertistを運営し始めてかれこれ4年となりました。個人ブログ時代からあわせると、もう10年くらいネットの世界で発信しています。

特に私が優れているというわけでは全くなく、単純に継続してきたことによる経験から、このような問題意識を日々感じています。

The Povertistはもともと、英語媒体としてスタートしました。そのため、海外のシンクタンクや有識者とのSNSでの繋がり(フォロワー)は結構強いです。

英語版のフォロワーはFacebookで2,000、ツイッターは600です。特にツイッターに関しては、フォロワーのほとんどが一般の方ではなく、有識者とシンクタンクや国際機関の公式アカウントとなっており、ある程度発信力はある環境が整っています。

余談ですが、上司とランチした際に悩み相談をしました。

「最近、政策文書を各筆が全然進まないのですが、書くコツは何でしょうか?」

「The Povertistでガンガン書いているんだから、心配ないでしょう」

という風に、上司まで知っている始末。

実際、現在の職場で上司を含む数名については、転職する以前から知っていました。

The Povertistのツイッターやブログを通じて、「顔は知らないけど、主張は知っている」という不思議な関係です。

裏を返せば、それくらい、ツイッターやオンラインでの専門家同士の交流が活発ということです。

部会などでも、「個人のツイッターやフェイスブックアカウントで、部署の公式ページをリツイートやイイねをするように」と指示が出る程です。

日本だと公私混同とか何とか言って、会社側もそういう指示はしませんし、従業員側も嫌がるでしょうね。

SNSやネットは自由であることがよいのに、組織のシガラミに阻まれている

話を戻します。

ここ1-2年は、日本の開発業界のオンライン発信力を強化しないといけないという思いで、日本語版に力を入れてきました。

その中で強く感じるのは、英語版で発信したときと比べて、反応が薄いと言うことです。

投稿しても、他の団体がリツイートしたり、イイねをして拡散することは稀です。

英語の場合は割とすぐ拡散します。

個人がイイね、と思えば、イイねを押せるのだと思います。

日本の場合は、個人がイイねと思っても、会社のアカウントの場合はイイねを押すための規定や上司への計らいなどがあるのでしょう。

世界には英語話者のほうが多いので単純比較はできませんが、個人・団体アカウント問わず、SNSの利用に制約があることが大きな要因のような気がします。

つまり、会社に配慮して、個人のアカウントで実名ツイートしにくかったり、会社の公式アカウントでつぶやく際にも毎回上司の確認や決裁が必要であったり。

ネットやSNSの利点であるスピードと自由さを存分に発揮できていないことが、日本の開発業界の広報にとって大きな課題なのかなと感じます。

個人の裁量で自由に発信できる環境ができて初めて、面白い議論がどんどん投稿される環境ができる。

英語での発信を行った経験から、そう感じます。

今日は、少しマニアックな内容となりましたが、問題提起とさせていただきます。

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