在スーダン日本人の内戦からの撤退

4月16日。緊急対応で大変な中でメディア対応する坂根さん、冷静。週末の対応でJICA本部も現地職員も大変だと思いますが、全員が安全に退避できることを祈るしかできません。

4月20日。スーダン邦人退避に自衛隊機派遣の決定のようですが、南スーダン退避の際も問題は各自宅から空港まで移動が自己責任だった点。対象国の国内移動に自衛隊が関与出来ない限り、現場としては厳しい。また、退避用の自衛隊機の到着時刻に戦場と化している空港の状況は合わせてくれないので、現場としては自衛隊機は頼りにせず、民間機の予約など、あらゆる方法を並行して模索しているのだろう。あてのない飛行機を目指して空港まで移動する危険を犯すより、自宅に食料・水を確保して籠城したり、本当にぎりぎりの選択を毎分行う状況だと思われる。

別の国ですが、緊急隊費用に防弾車の調達検討したことがあります。防弾車と一口に言っても、走行距離と装甲によって価格が異なる。走行距離を伸ばそうとすれば、装甲を薄くする必要がある。対戦車地雷対応のものだと装甲を床にも施さねばならず走行距離が極端に身近くなる。

装甲付きランドクルーザーはとても高額なので、大手の国際援助機関ですら何台も保有していないと思われる。装甲車の特性上、何往復もすることをおそらく想定していない。空港までの片道輸送の想定の場合、誰をどのタイミングで輸送するのかの判断となる。

装甲車がない場合、装甲のない車両で空港まで自力で行かねばならず、自衛隊機までたどり着くのが最も難しいオペレーション。皆さんの無事を祈ります。

なお、政府機関の退避の順番は私の経験上、帯同家族(おそらくスーダンの場合はそもそも帯同不可だった)、期限付き契約スタッフ(専門家等)、職員の順。新卒採用の若い職員も最後まで残り、すべての関係者を見送った後に自分の退避を考えます。こういう状況で仕事をしているということはなかなかしられていない。日本の政府機関から資金援助がない非政府組織の場合は、大使館などの指示や退避オペレーションもまた異なるのだと思われる。

4月23日。米大使館員の退避。米国は毎度、自力で救出オペレーションを展開する。日常的に敵も多いが、自国が守ってくれる安心感は圧倒的。

4月24日。時代はこの手の速報性をメディアに求めていないと思う。特に人名に関わる作戦の場合、全てが終わってから報道すれば良いのではないか。知ろうと思えばフライトレーダーなどで誰でも航路を見ることができる時代に、メディアが不特定多数に拡散すべき情報だろうか。