スポーツマンシップや紳士的振る舞いは世界共通のルールであるべきか
昔の仲間を冷遇した相手チーム監督へ、その仲間のゴールパフォーマンスをするメッシ。試合後も相手監督の下へ向かい、罵声を浴びせるメッシ。オランダベンチはノーサイドで握手でもしようと思ったのか、最初は笑顔だった。
この一瞬に、ヨーロッパとそれ以外の文化が詰まっていると感じた。過去の批判やいざこざ忘れて正々堂々キレイに戦い、戦いが終わればわだかまりも全てなしにしにして、握手しよう。いわゆるスポーツマンシップや紳士という言葉は、一部の文化圏とって都合よく繕われていると感じる。
やられた側はいつまでも記憶に残り、仲間や自分の弔い合戦と考える文化圏も多い。スポーツの世界では、スポーツマンシップや紳士的な行動が良しとされ過ぎている。そこでは過去の行いや言動は無かった事とされ、ノーサイドが良しとされる。
仕事の場でも、散々冷遇した相手に平気で笑顔で挨拶したり、過去のことは過去のこととする人がいる一方、ずっと覚えていて復讐心みたいなものをエネルギーにしている人もいる。
私も十代まではサッカー、剣道、スピードスケートをフル稼働でほぼ毎日やっていたが、ダーティーでせこい選手だった。だからスポーツマンシップや紳士的なゲームより、気持ちが全面に出た荒れた泥試合や過去の遺恨をエネルギーに替えて強くなろうとする文化圏に共感を覚える。
スポーツはヨーロッパだけのものではなく、南米、アフリカ、アジア、別々の価値観をもった選手が気持ちをぶつけ合う場。そこでの暗黙の了解がスポーツマンシップや紳士的という一部の文化に支配されて良いのか。アルゼンチンとオランダのゲームは、アルゼンチンが一石投じたようにみえた。
サッカーやラグビーはイギリスで生まれ、スポーツの祭典オリンピックもヨーロッパが起源なので、スポーツマンシップや紳士的な行動がスポーツを牛耳っている現状は必然かもしれない。
ESPN FC on Twitter: “Lionel Messi really celebrated right in front of Louis van Gaal and the Netherlands bench pic.twitter.com/5hu2D1tbG8 / Twitter”
Lionel Messi really celebrated right in front of Louis van Gaal and the Netherlands bench pic.twitter.com/5hu2D1tbG8