ILOの人事関連の数字

ILOの人事配置はこういう感じです。私のような外国人は、Professional and aboveの少ない椅子の争奪戦になります。以前、別の機関の人から、「ILOはRegularの比率がDCに比べて高いですよね」と言われたのですが、おそらく、DCの絶対数がUNICEFやUNDPより少ないためにRegularの比率が大きく見えるのだと思います。RegularとDCの違いは、各国のGDP比で毎年入ってくる拠出金と、ドナーが好きな分野でプロジェクトを作りたいときに追加拠出する任意拠出金の違いです。資金源が異なります。前者の資金源の方が安定していて、後者はプロジェクトの期間が終われば契約が終わります。

先日の投稿で説明したように、任意拠出金を獲得しやすい機関は、人道援助機関や大手(UNDP、UNICEF)などです。予算規模総額で見ても、ILOが20億ドルに対し、UNDPやUNICEFはおそらく60-70億ドルくらいだと思います。任意拠出金部分が多い機関の方がプロジェクトポストの数が多くなり、人事の流動性が高いと思われます。

こちらはスタッフの地域分布です。

こちらは職位と資金源の一覧。FTは期限付き、WLTは終身雇用(もう新規契約は実施されていない)。ILOでは1年未満の契約(TA)はほとんど認められないので表にもありません。ILOの場合、国事務所の所長はほとんどがP5。UNDPなどは、Dレベルと聞きます。小さい機関は要職に低ランクの職員が付きます。

Regularポストの公募件数です。ご覧のように、極めて数が少ないです。以前、UNICEFでは継続的に同じポストに在籍できる年数上限があり、達した場合には雇い止めとなる厳しい措置があることで、人材の流動性を確保していると聞きました。ILOでは努力義務となっていて、Regularポストにいる人は何十年もP2で居座っている人も多く、ポストに空きが出ません。それによって、キャリア構築が難しいと考える職員も多いです。異動したい場合、やむを得ずP4からP2に格下げして応募したり、専門性の全く異なるポストへ応募している人もいます。

ILO職員の2022年12月末時点の平均年齢は45.8歳。平均勤続年数は9年です。

今回の参考資料は、先月の理事会資料です。