今月のニュースの読み方(2024年3月)

主にNewsPicksで国際協力・政治・社会・文化など様々な分野のニュースにコメントしています。この記事では一ヶ月分をまとめて掲載しています。

世界の生産拠点として台頭するインド 各国が「脱中国」目指す中 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

中国が勢いを失った後、インドは敵なしと言ったところか。インドネシアも2.7億人と人口は多いが、推計では4億人を超えることはない。インドネシア政府は生産性の低さを懸念して改善策を次々と実施しているが、幼少期から染みついた習慣の改善は容易ではない。今から義務教育を改善したとして、人材が一世代変わるころには人口ボーナス期は終わっている。したがって、インドネシアはインドを脅かす存在にはならない。東南アジア諸国が一つにまとまって一つの生産拠点として協力できればインドに地域として対抗することはできるだろうが、政治・外交的なまとまりはそこまでないのが実態。インドの一人勝ちか。

ODAに民間資金活用へ 上川外相直轄の有識者会議を新設 「新たな在り方を模索する」 (産経ニュース)

RIETIが2000年代後半に「開発援助は直接投資の先兵か? 」という研究を行いました。日本政府がODAで支援を行った国では日本企業によるFDIが伸び、外国政府によるODAでは同様の効果が見られなかった。細部の記憶が曖昧ですが、日本の民間企業による開発途上国への進出は、ODAが先兵となっているというは今でも変わっていないのだと思います。

【ミャンマー】徴兵制の実施、効果に疑問符[政治] 中西准教授に聞く政変3年(上) (NNAアジア経済ニュース)

ミャンマーの現状は残念でならない。出国を選択しなければならない人々と、自国に留まって不安定な日々を過ごす人々。国を良くしようと熱心な政府職員がいるのも知っている。国と人が戻り、政策の話ができる日が来た暁には、ミャンマーで仕事がしたい。

機長仮眠中に副操縦士が居眠り、航路外れる インドネシア国内便

インドネシアで機長・副操縦士が飛行中に寝落ちしていた事件。インドネシアでは事故のたびに調査委員会が立ち上げられるが、うやむやになって終わるか、トカゲのしっぽ切り終わる。「組織的な再発防止策が講じられ、実行され、二度と同じことが起きないように」という体制はほぼ不可能なのが、哀しいかな実態である。子育てで寝不足等、色々と主張はあるのだろうが、インドネシアで勤務経験のある人なら真に受けないだろう。タクシーに乗っていても高速道路走行中に居眠りしかける運転手は多く、たびたび起こしたことがある。

アフリカでDXが進みやすい3つの理由…途上国のDXと生成AI(前編) (途上国の視点から世界の未来を考える)

アジアでDX が進むインドネシアを見ていて感じるのは、新興国では起業するためのコストが先進国に比べてはるかに低いということ。不平等も大きく、低賃金で多くの人を雇うことができる。一方、社会保険や労働基準の遵守 なども先進国ほど厳しくなく、見切り発車で起業し、使用者としての責任を果たさぬままビジネスに集中することができる環境が整っている場合が多い。これが先進国であれば、起業するための 税務手続きや、人を雇うための労務関係の手続きなど、仕事をはじめるまでに実行しなければならないことが多い。朝ご飯を食べていて思いついたアイディアを、今日、明日簡単に実行することができる環境が新興国には整っているのではないだろうか。

ニセコ町の宿泊税、11月から1泊最大2000円 総務相同意 – 日本経済新聞

ニセコは景気良いな。外国人の同僚が2018年頃にニセコにアパート買うといっていた時は意味が分からなかったが、先見の明があったのだろう。

日銀、広がる3月解除支持=春闘、昨年超えの公算―マイナス金利

日銀と財務省は一世一代の賭けをした。30年間も物価・賃金が上がらなかった先進国は日本だけだった。今回、世界中で金利を上げた局面で金利を上げず、物価上昇を放置し、耐えきれなくなった労働者が賃上げを求めることを敢えて誘発した。ある意味でショック療法だった。賃金上昇は社会保障財政に関しても大切な要素である。公的年金の財務持続性を検証する際、保険料を多く徴収しようとすれば、人口を増やすか、賃金を増やすか、保険料を上げるかが課題となる。このうち、最も正確に将来の推計を行うことができるのが人口の推移で、逆に言うと、簡単に変えることのできない要素。残るは保険料と賃金だが、保険料に関しては容易に上げることは難しい。政治家の人気に関わるし、ましてや日本の保険料や税率はすでに高水準にある。そういうわけで政治的に前向きに検討できるのが賃金上昇。多くの国では賃金は上昇するものとして社会保険の財政を検討する。物価上昇率<賃金上昇率<GDPで想定する。金利を上げることによってインフレが終わったとき、賃金はどうなるか。また賃上げのタイミングはいつか来るのか。一過性の出来事に終わるのだろうか。

男性育休取得率、300人超企業に公表義務 法案閣議決定 – 日本経済新聞 (日本経済新聞)

子育て世代の負担が軽くなる方向 はとても良い傾向ですね。次のステップの議論としては、 家族や子供を持たない。労働者が現実的に増えている中で、 そうした人たちの 仕事の成果に対する適切な評価がより求められるようになると思います。そうでなければ、しわ寄せが彼ら彼女らに来るという不公平感が社会を取り巻くこととなります。一方、先進国のマクロレベルの話でいけば、 少子化は解決しなければならない問題なので子供を持たない世帯に対する政策というのは、後手後手に回っていくのも現実と予想されます。世界を見渡しても結婚していない、子供を持っていない カップルに対する政策は必ずしも進んでおらず、議論も議論も優先的になされていないのが現実だと思います。

C大阪がオランダ出身のインドネシア代表DFを期限付き移籍で獲得 身長187センチの長身 (デイリースポーツ)

インドネシアは 消費マインドが強く、 人口が 多いのでインドネシア選手を Jリーグが獲得するのは商業的に素晴らしい ことだと思います。タイでコンサドーレ札幌の名前が知れているのはタイ代表選手が所属していたことが 大きく、タクシードライバーでもコンサドーレを知っています。

世田谷区が生成AI(ChatGPT)サービスを3ヶ月で内製開発。73%以上の職員が生産性向上、1人あたり1日35分の業務削減を実感。 (PR TIMES)

素晴しい。若者が活躍できる職場なのだろうな。

ベトナム・ビンファストの会長「EV販売10万台目指す」 – 日本経済新聞 (日本経済新聞)

2017年に年金改革の関連でベトナムの首都ハノイに出入りしていた頃、 ベトナム国産車を作るという話が盛り上がていた。 ベトナム人の知人含め、みんなうまくいかないだろうと思っていた。それが今や東南アジアの星となりつつある。

【ベトナム】高速鉄道、資金3割外国から[運輸] 財務相、みずほ銀にも支援期待 (NNAアジア経済ニュース)

インドネシアに続き、ベトナムでも新幹線の構想が始まっている。日本の政府開発援助の関係で言えば、インドネシアの高速鉄道の建設に至ってはJICA がフィジビリティースタディまで行ったにもかかわらず、最後の 貸付と実施部分をインドネシア政府が中国に渡してしまったことである。意味日本として裏切られた部分がある。同じ 経験をベトナムで日本はしてはいけない。ベトナム人の国民性として、 中国とは あまり近い関係にはない。日本に今回は有利に働くのではないだろうか。

外国人労働者、変わる主役 インドネシア5年で2.9倍 – 日本経済新聞

インドネシアから日本への移民労働者は国策で今後も増加していくこととなっています。仕事への取り組みが緩い国民性から、成果を求められるぴりついた職場では不人気。しかし、介護現場ではその緩さがお年寄りに人気のようです。適材適所とはこういうことを言うのだな。

国交相、JR北海道に1092億円支援表明 24年度から3年 – 日本経済新聞

“観光立国を目指すのであれば、全国隅々まで鉄道を張り巡らす必要がある。路線ごとに採算・不採算を査定して廃止していては、魅力的な景勝地へのアクセスは車に限られてくる。観光大国スイスの鉄道は国有されていて、数千メートルの山の頂上から、人気のない田舎まで、鉄道網が整備されている。地元民も観光客も年間・月間・週間パスを購入するので、不採算路線が採算路線によって補われている。

私の地元の十勝の山奥には、旧国鉄士幌線の鉄橋や路線跡が残る。断崖絶壁を走る路線から見る景色はさぞかし美しいだろう。北海道の田舎には景勝地が多々あるが、国鉄が民営化されてからはアクセスの難しい観光客が訪れない場所となってしまった。”

結婚、5年で2割減 「女性の意識変化」「経済不安感」 インドネシア(時事通信)

私たちの推計では、あと数千万人人口が増え、3億人台で頭打ちとなる。2023年に高齢化社会入りし、2044年に高齢社会(65歳以上が14%超)となる。しかし、想定外の社会変容によって急速に少子化が進めば、少子高齢化は一層加速する。年金加入者が少ないので、向こう二十年で無年金退職者が五千万人を超える。

医師との交際費、製薬企業に開示義務 研究の信頼向上へ – 日本経済新聞

20年前に私が就職活動をしていたころは、MRが人気職でした。コロナ後は「勉強会」も随分減ったようですし、MRも飲み会営業ではなく専門性で勝負する時代に入ったのでしょうか。

ニジェール、米との軍事協定破棄 西アフリカ、クーデター軍政 (共同通信)

アメリカが世界の警察を止めて国内に目を向けたことで、過去2年くらいで世界中で軍事力の空白が顕在化しましたね。

DAZN「1890円→4200円」はなぜ受け入れられたのか炎上対策専門家が解説「燃える値上げ、燃えない値上げの差」 (PRESIDENT Online)

DAZNの値上げは受け入れられたのではなく、強力なコンテンツ(サッカー等)の放映権を独占しているからだと思います。サッカーファンは、DAZN以外でサッカーを見ることができないため、値段を受け入れざるをえないわけです。DAZNに支払うか、サッカーを止めるかの二択を突き付けられている。

絵文字の使い方は世代でこうも違う🤣🫠🙏10種類の意味を聞いてみた (ハフポスト日本版)

絵文字の知財を日本が上手く管理できていたら、今頃世界中から手数料が日本に入ってきていた。2000年前後にiモードを使っていた世代で、この悔しい気持ちを共有できる人はいないだろうか。

スイスは「シルバー民主主義」に陥ったのか? (swissinfo.ch)

年金財政には賦課方式と積立方式があるが、賦課方式の比率が大きくなればなるほど、現役世代から退職世代への直接送金に近い形になっていく。そういう社会が高齢化した場合、年金政策に限って言えば、一人一票の民主主義が機能するのかは非常に微妙となる。なぜなら、受給者の数が保険料を支払う人よりも大きな力を持つこととなるからだ。

プーチン大統領の圧勝確実に ウクライナ侵攻継続に「信任」 (共同通信)

表現の自由は民主主義の根幹ということ。どこかの国では表現の自由の濫用もあるけど。

防衛省 “北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるもの発射” (NHKニュース)

毎年春になると打ち上げがあるのは、年度計画と予算消化に関係あると思うんだよな。

タイ第1党「前進党」が解党危機、抗議デモ広がる可能性…「不敬罪」巡り親軍派が圧力か (読売新聞)

東南アジアで民主主義が根付くにはまだ何十年もかかる。

「指に消えないインクが付く」「投票所でコーヒー飲み放題」日本の選挙とは別物すぎる、インドネシア「おどろきの大統領選」の一部始終 (現代ビジネス)

インドネシアの選挙はお祭り。会社は勤務日だったが、同僚は居留守を使ってほぼ全員連絡はつかなかった。

テレワークの長時間労働で精神疾患 50代女性が労災認定 (NHKニュース)

リモートワークが一般的な会社ではバリバリ働く社員とサボりがちな社員に圧倒的な差が生まれる。生産性の差であり、労働時間の差になって現れる。働きすぎる社員にとっては出社するよりも在宅勤務する方が勤務時間が圧倒的に長くなる。 一方、サボりがちな社員にとっては仕事以外の時間を拡大する結果となる。ワークライフバランスという言葉でまとめられるが、 会社にとっては生産性の高い社員と低い社員、労働者にとっては働きすぎの社員と働かない社員として分けられ、投入時間に大きな差が生まれてくる。

【インドネシア】大祭手当は一括支給、配車運転手も受給対象[経済] (NNAアジア経済ニュース)

イスラム教の断食明けの休暇前に月給一か月分のボーナスを支給することを政府は使用者に義務付けています。2016年の労働省令第6号が根拠です。企業にボーナスの支給を強制する点が、「富める者が施す」という宗教的価値観に基づいています。こうした感覚が社会保障制度の設計にも影響を及ぼしています。たとえば、企業は退職金、産休・病欠手当などを負担しなければなりません。多くの国ではこれらは社会保険化されていますが、インドネシアでは議論が進みません。また、このボーナスは賃金外の収入とみなされるため、社会保険料の徴収対象外です。そうなると、年金の計算は実際の年収を反映しないこととなるため、1か月分少なく計算されることとなります。

【インドネシア】西カリマンタン州、シンカワン空港が完工[運輸] (NNAアジア経済ニュース)

意外かもしれませんが、インドネシアはものすごく飛行場が多いです。そして誰が設計しているのか定かではありませんが、アクセスの悪い郊外に孤立して建設されたり、空港内が利便性に欠けたり、違和感が多々あります。

インドネシア大統領選 プラボウォ国防相が当選 選管公式発表 (毎日新聞)

大統領の息子を副大統領にすること、前政権の方針を引き継ぐこと、無料で給食を支給すること。これらを国民は支持した。この国で仕事をしたことがある人には自明だが、組織の記憶や記録を引き継いで一貫した対応を受けた経験を私は一度もしたことがない。また、約束が守られた経験もない。

モスクワ郊外でテロ 40人死亡100人以上けが ロシア治安機関 (NHKニュース)

パリのコンサートホールと飲食店で起きた2015年の襲撃事件を思い出す。知人は所用で集合時間に遅れたことで助かったが、先に到着していた仲間を失った。国際政治や宗教紛争はマクロの話ばかりコメンテーターはするが、新興国に多くの仲間がいる私たちからすると、他人事ではない。

サッカーW杯予選、平壌開催中止 北朝鮮意向、防疫措置か実施未定 (共同通信)

予定変更に関する日本の支出は相当なもので、損害賠償はFIFAの規程ではどうなっているのだろうか。国際機関は加盟国に対して徴収・執行能力を持たないので、おそらく泣き寝入り。加盟国間の保険のようなものはあるのだろうか。ないだろうけれど。

【インド】JICA、起業促進などに円借款2322億円[経済] (NNAアジア経済ニュース)

JICA(日本のODA)はインドとインドネシアへの貸付が全体の営業実績に響くわけですが、両国が援助から卒業する日も然程遠くないと感じるこの頃。アフリカへは貸付が容易ではないし、日本のODAはどこへ向かうのか。