今後の移籍先について-国連職員のキャリア

2016年4月に国際労働機関(ILO)社会保障局に移籍し、今年4月には2018年3月までの1年契約にサインしました。前所属先の国際協力機構(JICA)では開発援助に関する援助戦略や組織・案件の企画・管理など、マネジメントの経験を6年積みました。現在所属するILOでは社会保障政策(特にインフォーマル経済への社会保障拡充政策)に関する専門性を伸ばすことができており、今の環境および関係者の方々にとても感謝しています。

成長できる環境を選ぶこと

先日、サッカー日本代表の本田圭介選手がメキシコの古豪パチューカと契約しました。オランダ、ロシアの強豪での経験を積み、イタリアの強豪ACミランで苦しい期間を過ごした本田選手。新天地にメキシコを選んだようです。かつて本田選手はこう言っていました。

「常に自分が成長できる環境を選ぶ」

守りに入らず、常に自分が成長できる場所へ移籍する。自分が活躍できそうかどうかではなく、自分の成長に重きをおく。

これまで私は、「組織やその国のために何ができるか」ということを念頭に、自分の仕事と向き合ってきました。ただ、最近感じるのは自分の成長曲線が緩やかになっているということです。冷静に振り返ってみると、移籍先の模索に際しても自分が活躍できる場所を探すことによって、どこか守りに入っていたのかもしれません。

残りの30代は初心に戻り、自分が成長できる環境を優先的に選んでいきたいと考えています。

空席公募が出るかは運次第

私のILOとの契約は、複数年度予算で毎年契約更新するタイプの合意内容です。1年目の契約はほぼ継続契約となり、2年目の契約満了時点で自由契約となります。つまり、残すところ約半年の間に、公式ホームページに掲載される空席公募へ応募し、新規契約を締結する必要があるわけです。

しかし、自分の経歴にあった空席公募が半年以内に出る可能性は運次第と言えるかもしれません。もちろん、アンテナを張り巡らしておけば、ある程度の予測はできます。しかし、そのポストが半年以内に出たとしても、数千人の候補者の中から選ばれる可能性は高くありません。

また、ILOは他の国際機関と比較しても人員の流動性が極めて低い事情があります。社会保障関連の正規ポストに限って言えば、5~10年は当たり前、20年も同じポストにいる人もいます。内部人材を抱えることで専門性の蓄積を図る専門機関ならではの事情と言えるでしょう。

さらに、ILOの社会保障分野の強みは個別案件ではなく政策提言であることも、空席が出にくい要因と感じています。開発途上国における技術協力事業が多ければプロジェクトスタッフとして雇用される可能性も広がるわけですが、個別案件を多く抱える国際機関(UNDP、UNICEF、UNHCR、WFP、IOMなど)と比較すると新規案件の数は少ない印象を受けます。その限られたプロジェクトポストに関しても、公募されないことも多く、内部人材かコネで決まっていく世界があります。

ILOに限らず、他の国際機関でも部署によっては類似の事情があると察します。

今後の移籍先について

移籍先を模索するための猶予期間は残り半年となりました。人材の流動性が低い環境ですから、常に他の機関も移籍候補にいれてキャリア構築していくこととなります。これまで目の前の仕事に集中すべく、移籍先の模索は行ってきませんでした。そのため、現時点では特定の候補があるわけではなく、全ての選択肢を検討したいと思います。

自分が成長できる環境を選びます。

移籍交渉の窓口について

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