トランプ次期大統領が政治と外交を変える
トランプ次期大統領の行動が相変わらず波紋を呼んでいる。発言の過激さや一部の政策については眉をひそめる思いもあるが、くだらない政治の仕来りや外交儀礼をぶっ壊す姿勢は評価に値すると感じる。
オバマ大統領が深入りを避けてきたパキスタンやフィリピンの首脳らに往来を打診したほか、2日には国交のない台湾の蔡英文総統と電話で会談。オバマ政権高官は「国務省の専門家の助言に耳を傾けるべきだ」と懸念を表明している。
そもそもトランプ氏が大統領選挙に勝利した背景には、アメリカ国民の「政治的疲弊」があったのだと思う。
アメリカと言えば、「表では綺麗なことを言っておきながら裏では汚いことを平気でやっている」という印象を持つ人も多いのではないだろうか。諜報機関が強く、本音と建前を上手に使った外交こそが、アメリカの真骨頂だった。
一方、トランプ氏は歯に衣着せぬ物言いで人気を集め、建前の部分を微塵も感じさせないタイプ。アメリカ国民が本音で政治や外交を展開する大統領を望んでいたことが今回の選挙結果の全てなのだろう。
そう考えれば、世界の外交儀礼を全く無視したやり方はトランプ氏らしく、新しい外交の時代を予期させる。世界が建前抜きに本音で議論する時代が来るのか。
今後も目が離せない。