国際協力を生業としていますが、仕事以外の部分を書いていきたいと思います。国際協力仕事人はどのような私生活を送っているのか。何を考え、キャリアを選択しているのか。様々な角度からコラムを書くことで、国際協力がより身近になればと考えています。

国会議員のリモート参加を認めない国

国会登院しないと政策議論できないというのは、そんなことはないですね。政策議論をフルリモートで2年以上やっていますが、随時同時通訳入れたりPC見ながら資料参照したり、移動が不要だったり、リモートにしたことで、議論の頻度や質は格段に上がりました。ただ、対面と同じような感覚で、丸一日プログラムを組むと、フルオンラインの会議はかなりきついです。
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コロナ明けのジャカルタ

ジャカルタは空白の広告がまだ目立つが、終末のショッピングモールは超満員。 さらに読む

ILOの社会保障コンサルタント

ILOの仕事の中で、各国の社会保障の事例研究が必要な場面が多々あります。具体的には制度設計や実務がどうなっているのか、ペーパーにまとめるなどです。 さらに読む

宮崎大学主催の高校生向け講演での質疑応答

7月16日に宮崎大学が主催した第六回「アメリカン・インフォメーションデスクセミナー」のオンライン講演会で、宮崎県内の高校生にお話しする機会を頂いた。きっかけは、河野久さんからお声掛け頂いたこと。久さんとはほとんど直接会ったことは無いに久しいが、サセックス大学開発学研究所(IDS)の一期上の先輩。2008年6月頃に私が入寮するタイミングで退寮する久さんから生活物資を色々と譲ってもらったご縁。それからオンラインで時折交流が続いていたのは、イギリスの大学院で勉強したお陰と言っても良い。そういうわけで機会を頂くことができた。ILOの社会保障の仕事を紹介した後に活発な質疑応答ができて住した会となったが、追加質問が宮崎西高校の山下先生経由で届いたことには驚いた。大学生や実務家向けの講演を何度もやらせてもらっているが、詳細な質問を後日受け取ることはめったにない。回答させていただいた内容は恐らく全国の高校生にとっても有用だと思うので、質問者の名前は伏せて、私の回答だけ記しておく。

インドネシアの雇用保険制度づくりを支援した件で、ファーストリテイリング社(ユニクロ)と協力して「会社と社員からお金を集めて、退職するときにそのお金をあげる(雇用保険制度)」という仕組みを作っていたが、そのような新たなことを進めるときにどのような話し合いをして具体的にどのように実行したのか?

ILOの事業予算というのは、190以上ある加盟国からの拠出金で賄われています。この拠出金には2種類あり、一つは毎年経済規模に応じて各国に課せられる拠出金(このお金はILOが比較的自由に使えます)、もう一つは「ILOに追加予算をあげて特定の事業をやりたい」と考えた国や民間企業が拠出する任意拠出金です。ファーストリテイリング社(ユニクロの親会社)との共同事業は後者のパターンです。最近では、世界的な大企業は企業の社会的責任(CSR)の一環で、自社と関係のある国への支援を模索していることが多いです(民間企業のSDGSへの貢献もこの一環です)。そうした活動をされていることを知っていたので、こちらから連携の可能性を打診しました。その結果として、インドネシアに雇用保険がないことで失業者が困っている現状を解決するという問題意識を共有することができ、ファーストリテイリング社から任意拠出金をILOへ振り込んでいただき、私たち事業チームがスタッフを採用したり、活動計画を作ったり・・・といった形で事業を進めてきています。

https://www.fastretailing.com/jp/sustainability/news/1909040900.html

雇用保険のある国と、雇用保険の国のそれぞれの共通点はありますか?

紹介した9つの社会保障制度のうち、雇用保険制度の導入は一般的に後回しになる傾向があります。それはほかの制度の受益者が多かったり、緊急性が高かったりといった理由からです。雇用保険制度のない国では、失業時の所得保障が使用者(雇用主)の責任であるのに対し、雇用保険制度のある国では、退職金の支払いに関する使用者責任が義務ではなく任意となっていることが多いです。日本も後者ですね。

将来国際関係の仕事につきたのですが、そのためにも高校生の時から心がけると良いことは何ですか。詳しく教えていただけると幸いです)

英語と数学に力を入れてみてください。リスニングとスピーキングを伸ばすには、会話を通じて身に着けることが大事です。これは教室の外で機会を探してみる必要があります。地元に会話をする場があれば、そういった機会に飛び込んでみるとよいと思います。英語を使って仕事をするには、読み書きが大切です。これは文法等を学校の授業で身に着けることから始めるとよいと思います。英語を使う機会を多く作る心掛けが大切ですね。数学は学校の勉強がそのまま基礎になるのではないかと思います。私の分野では、統計学、計量経済学、年金数理という分野が数学を要しますが、私は基礎がなかったので苦労しました。

近況報告とこれから

昨年秋ごろからあまり時間が取れず、The Povertistやこちらのページへの投稿が滞っています。まず、キャリア相談や寄稿を含め、メールやコメント欄などでたくさんのご連絡をありがとうございます。しかし、ご連絡いただいている皆さんに半年以上全くお返事が出来ておらず、申し訳ない思いでいます。これらをいつ再開できるか目処が立たないので、こちらで少しだけこの間の状況を報告だけさせて頂ければと思います。殴り書き、走り書きになってしまいますが、お読み捨ていただければ幸いです。 さらに読む

正しいことだけを言っていても政治は動かない

橋下さんと本田さんの対談の中で深く頷いた部分があったので共有させていただきます。これはもしかすると、国際協力全般には当てはまらないことかもしれない。以前にも書きましたが、ILOで仕事をしていると政府だけでなく、労働者の代表や使用者の代表の三社の間に立って立ち振る舞わなければならず、政治力や対話力が仕事を進めていく上で極めて重要となっています。橋下さんの言葉を借りれば、論理的に正しいことを主張し続けるだけでは仕事は進まない場面が極めて多いです。僕らは政治家ではないけれど、極めて政治家的な素養が必要な場面が多いとこれを見て感じました。 さらに読む

使える報告書の作り方

開発途上国の政治家と実務家に使ってもらうにはどうすべきか」悩みは尽きないという話をした。「あなたの論文が読まれない理由」を書いたきっかけも、どうしたら科学的根拠を政策へ使ってもらえるか、という作り手としての問題意識からだった。色々な答えがあるだろうが、対象国の政治サイクルや実務家のタイムラインに乗せることが、報告書を使ってもらうための最低限の条件だと思う。それに関連していくつか身の回りの事例を振り返ってみる。 さらに読む

政治サイクルとインパクト評価のタイミング

ベトナムでは国会に法案を提出する際に、その法案を実施した際にどのような社会経済的な影響があるか説明する報告書の提出が不可欠となっている。これを当該国の実務家はインパクト評価と言っている。もちろん、学術界でいうところのインパクト評価とは手法の厳密さなどに差異はあるが、求めているアウトプットは似ている気がする。いずれにせよ、どこの国の法案審議でも同じような要件があると思う。 さらに読む

新しい働き方が生まれ、転職という概念がなくなるとき

未来の仕事というテーマでILOは調査研究を実施し、100周年の記念事業としています。実務レベルでは、これをどのように実現していくかが課題となってきます。調査報告書や宣言文を読んでいただければわかるのですが、AIなど新しい技術に既存の仕事が奪われるというリスクはある一方、新しい仕事や機会が生まれる時代となるということが書いてあります。 さらに読む

新卒時点で一番国際機関に近い若手人材の宝庫はJICA職員です

そのとおりですね。邦人増加について、民間やJPO人材のサポートの取り組みはご指摘の通り大切ですが、新卒時点で一番国際機関に近い若手人材の宝庫はJICA職員です。無休休職や出向などを積極的に国として推しても良い気がします。 さらに読む