インドネシア人の消費意欲と浪費癖

最近、ジャカルタで五菱(ウーリン、Wuling)という中国車をよく見る。グラブでランダムに毎日選ばれる中で、月に何度か出てくる。今朝乗ったのは6人乗りで、価格を聞くと200万円ほど。乗り心地は悪くないが、決して安くはない。

ジャカルタは車社会とはいえ、新車をローンで買う人が多く、いつかバブルが弾けるのではないか心配。車も家電もスマホも全てローンで支払い、実費より遥かに高い分割払いを銀行にする。貯蓄や投資や社会保障は気にせず、「国民総キリギリス」のような雰囲気で、今日を楽しむことを考えている。

年金制度が無いに等しく、現役世代150百万人中、加入者は10百万人のみ。インドネシアは2045年までに経済規模で五本の指に入る大国を目指しているが、それまでに140百万人が無年金で退職する危機的な高齢化社会になる。皆年金制度を早急に開始しなければ、富裕層が経済成長を牽引し、中間層以下は厳しい社会となる。不平等は拡大を続け、中間層は無年金・無貯金で大量退職し、子供世代の世話になる。子供世代は数が少ないので今の日本と同じような状況になる。日本社会の現状から、親・祖父母が無年金・無貯金であることを想像するとゾッとする。

そういう社会にしないために、一部の使命感を持った官僚と年金制度改革に今年は全力を投じる。国民からは保険料徴収を非難され、評価されるのは何十年も先というのが、私たちの仕事の悲しいところ。