置き忘れた情熱

情熱の光

私も今年で33歳になりました。国際協力業界へ足を踏み入れてからもう10年以上が経過し、給料をもらいはじめてからは8年が経過しました。終身雇用の安定した身分を捨て、今年で2年目となります。そして、今の契約もあと半年となり、次の就職先を探す日々です。

そんな今、思うことがあります。

「私の情熱はどこにあるのだろうか」

国際協力のキャリアというのは、地平線へずっと続く途切れることのない一本道を一人で歩いていく感覚に似ています。一本道をひたすら真っ直ぐ歩み続けることは簡単です。もちろんデコボコ道もあれば、上り坂も下り坂もあります。それでも前を向いて歩いていけば、道はそこにあります。

しかし、一番難しいのは岐路に立ったときです。一本道を進めば同じ時間で長い距離を歩いていけるのは目に見えています。しかし、分かれ道の先には「やりがい」や「自分の成長」という魅力的な誘惑が私たちを待っていることもあります。地平線まで続く一本道を行けば、苦労もあるでしょうが、目的地までの道筋は見えていて安心です。しかし、分かれ道に出会ったとき、私たちは立ち止まって考えるのです。

「どちらの道へ行くのが、幸せな選択なのか」

置き忘れた情熱

分かれ道があるということは、キャリアの選択肢があるということ。贅沢な悩みかもしれません。その時の判断材料になるのが、情熱です。

私の情熱はどこにあるのか。キャリアを歩んでいくうちに、私たちは日々の出来事に忙殺されて、初心を忘れてしまいがちです。私はなぜこの道を選んだのだろう。あのときの情熱はどこにあったのだろう。

キャリアの分かれ道に立った時、今の自分がどこに情熱を持っているのか、自問自答するようにしています。答えは誰も知らず、自分だけが知っています。自分のキャリアの中できっとどこかに置き忘れてきたであろう情熱のありかを、手探りでもう一度探す作業。

これがキャリアの分岐点に立ったとき、次の移籍先を探すときに大切なことのように思います。

狭き門の開け方

最後に、国際協力業界でのキャリア構築で一番難しいのはスタートダッシュです。公的資金で予算措置を受けている機関が多いのが業界の特徴です。必然的にポストが限られていて、「狭き門」と言われることが多々あります。

最近多くの方からキャリア相談を頂いています。その中で一番多いのはやはり、「狭き門」の扉をどう開けるかという質問です。学生の方や、民間でのキャリアを歩んできた方。門の扉を開けるにはどうすべきか。そんな問いをたくさん頂きます。

その突破口はたくさんありますが、ここでは深掘りしません。何かできることがありましたら、「国際協力キャリアフォーラム」から質問を投稿していただければ幸いです。本人確認の手段もありませんから、匿名でも大丈夫です。

たとえ自分の移籍探しで大変な時期でも、これだけは続けていきたいと思います。