落合陽一さんがクソ旨いチキンを作るなら僕はチキンカレーを作る
最近、若者のキャリア相談を受けている関係もあり、自分の職業人生と向き合う機会が多くなってきました。私の現時点での答えはこれです。
落合陽一さんがクソ旨いチキンを作るなら僕はそれでカレーを作る。
テレビ離れをして10年。日本を出て久しい私にとって、日本の雰囲気を知るための情報源は専らネットです。先週の情熱大陸でレトルトカレーをストローで飲んでいる画像がツイッターで回ってきました。
筑波大学の落合陽一さん。最近、「魔法使い」と話題らしいですね。直接お会いしたことがないのですが、ビットコイン関連でツイッターをフォローしていました。
私の理解が正しければ、「人類が作ってきた膨大な無駄を、人類で自分しか知らない技術で合理化していくために、淡々と世の中へ技術とメッセージを送り続けている方」です。
クソ旨いチキンを作る人、クソ旨いカレーライスを作る人
ここまで読んで、私がなぜ彼の話をしているのか疑問に思われるでしょう。
例えるならば、要するに落合さんは「クソ旨いチキンを作っている」のだと思います。鶏肉は世界中どこでも食べられる万国共通の具材。そあれば、入れるだけでどんな料理も「クソ旨く」なるニワトリを発明すれば、世界中の食文化が180度変わります。この鶏肉を使う限り、人類はもはや「まずい料理」を作ることができなくなってしまうわけです。
世界が変わります。
しかし、どうでしょう。「クソ旨いチキン」を落合さんが発明するだけで、本当に世界は変わるでしょうか。いえ、変わりません。そのチキンの大量生産を実現する人が必要です。その将来性に投資する先見の目を持った投資家が必要です。
話を戻しましょう。
キャリアを考えるとき、大きく言えば2つの道があると言われます。ジェネラリストかスペシャリストか。この二者択一を更に細分化すると、新しいことを発明する基礎研究、実用可能にする応用研究、大量生産を実現するメーカー、大量生産されたモノを使ったビジネスを展開するサービスセクター。一つの技術革新が新しいバリューチェーンを作り出し、段階ごとにキャリアが点在します。
その中で私は、大量生産された「クソ旨いチキン」を使い、さらに別の人が発明した「クソ旨いカレールー」や「クソ旨いニンジンと玉ねぎ」を組み合わせ、「クソ旨いカレーライス」を作ることにキャリアの重きを置いていこうと考えています。
これが私が最近思い浮かべるキャリアの考え方ですが、キャリアカウンセリングや講義でこういう話をすると、みんなどんな反応なのだろう。
政府や大学からの依頼で講義をする場合は、猫かぶって大人な発言してきましたが、たまにはこういう本音の話をしてみても良いのだろうか。今度やってみよう。
本日は以上です。
情熱大陸
情熱大陸 落合陽一 11月19日 動画
Uploaded by WBO on 2017-11-20.
国際協力キャリアフォーラム
国際協力キャリアフォーラム-進学・就職相談のプラットフォーム | Ippei Tsuruga
国際協力キャリアフォーラムは、国際協力をキャリアとして考えている方からの質問にお答えするフォーラムです。大学院進学や就職先の選択など、気軽に相談できる環境を提供できればと思います。元JICA職員・現役国連職員がご質問にお答えします。