国際協力キャリアを歩むなら資産運用の知識が必要と思う理由
国際開発の仕事をしていると、2年おきに世界を転々とする生活が続きます。任地が変わるだけならまだしも、所属する機関が頻繁に変わることとなります。当然、その都度税金のステータスが変わったり、社会保障のステータスが変わったりするのがとても面倒です。しかし、数年おきに組織を変わるうえで一番不安なのが、将来への蓄えです。もちろん、仕事がなくなって収入が突然無くなるリスクは常にあります。前回の記事でも書きましたが、数か月先の人生が読めない生活です。野球選手やサッカー選手のようなイメージですね。
国際協力ノマドワーカーの年金事情
所得が無くなるのはもちろん困るのですが、長期的にもっと困るのが年金。日本の年金は日本に家族がいる人は代わりに納付してもらうことは可能です。しかし、長期的に考えれば、家族の助けを得られなくなることも考えねばなりません。どこの国にも属さない人生にとって、どういった年金が良いのか。最近の課題です。
たとえば、私が今加入している国連の年金。世界で最も利回りの良い安定した年金基金と聞いています。最低5年の加入が必要で、30年くらい納めると老後は東証一部上場企業の平均給与くらいもらえるようになるそうです。掛金もべらぼうに高いですけどね。
しかし、今のご時世、5年の加入を達成できるかは微妙なところです。そうなると、全額一時金としてもらうことになります。この繰り返しなのですよね。国際開発の仕事をしている私たちにとって年金というのは。いつまでも一時的に納付し、一時金で引き出すことを繰り返しているようだと、年金の恩恵を満足に得られなくなります。一方、特定の国に居住していないため、一つの国の公的年金に加入し続けることも難しい。私たちはいわば、制度の隙間に落ちたノマドワーカーなわけです。だからこそ、「タックスヘイブンで投資しませんか」という営業がうちのオフィスに出入りしているわけです。脱税したいというのではなく、私たちには安定的に加入し続けられる年金制度が無いのですよね。
国際協力を仕事にするなら投資を勉強すること
以前にも書きました。加入できる年金制度が無いわけですから、私たちに残された方法はただ一つ。自分で資産運用する。これしか残された道はありません。私もまだまだ勉強中ですが、かれこれ10年以上勉強を続けています。ライブドア事件で痛い目にあったのは懐かしい思い出です。
早いうちに失敗を積み重ねることが、資産運用の学びに繋がっていくと感じます。国際協力キャリアセミナーなどでは絶対に語られない盲点かもしれませんが、不安定なキャリアだからこそ資産運用を自分でこなす力は重宝するはずです。
私の資産運用の変遷
私は基本的には個別株で資産運用しています。年金にすることが最終目的なので、頻繁な売買はなく、長期保有することが多いです。2010年から本格的に投資をはじめ、毎月の貯金の3割を投資に向けていました。そのほかに、イギリスで博士課程へ自己資金で進学するために、ポンド預金で毎月10万円分くらい貯めていたこともあります。
本格的に投資を始めて8年目になり、少しずつ投資スタイルも確率されてきました。最初の頃は、バリュー投資が流行っていたこともあり、余暇の時間は基本的に割安株を探すことが趣味と課していました。
最近は、運用資産がある程度の規模となってきたため、底値を拾って割安株に投資するスタイルに限界を感じ始めました。特にここ数か月は、高止まりしつつある株式市場を前に、下落局面でも安定的なインカムゲイン(配当収入)が見込めるディフェンス力のあるポートフォリオを組む必要に駆られています。
そして、8年ぶりにポートフォリオの大規模な見直しを行いました。割高となった銘柄を売却し、将来の見込めない赤字銘柄のマイナスを確定(確定申告で損益通算をすることで節税対策になります)。大量に売却したかつてのバリュー株の利益を元手に、連続増配・高配当銘柄を多くポートフォリオに組み込みました。
資産運用の勉強法
同業の仲間たちから、資産運用について時々質問を受けることがあります。いろいろな知識や経験はお話しできるのですが、やはり、知っていることとやってみることの間には大きなギャップがあります。早い段階で少額で良いので投資してみて、盛大に失敗してみるのが成功への近道のような気がします。
最後に私が長年勉強させていただいているブログをいくつかご紹介します。長期投資とは何ぞや。銘柄分析などなど。サラリーマンとして得た収入を投資へ回すことで資産運用の効果を実感している方々です。勉強になると思います。
ちなみに、米国株や日本株で運用している方が多いですが、私は職業柄、新興国銘柄も割と身近に感じることができています。ポートフォリオの比率も高めです。